「口の中、飯だらけ」でHR…野村克也を“カモ”に 読み切れなかった大胆思考|球界群像 伊勢孝夫#5
近鉄などでプレーした伊勢孝夫氏【写真:山口真司】伊勢孝夫氏は1971年に自己最多の28発…野村克也兼任監督率いる南海からよく打った
口をモゴモゴさせながらバックスクリーン弾をぶちかました。野球評論家の伊勢孝夫氏は近鉄時代の1971年にキャリアハイの28本塁打をマークした。プロ9年目のことだった。投手として入団し、5年目に野手転向。勝負強い打撃から「伊勢大明神」のニックネームもついたが、特に相性がよかったのが南海戦だったという。当時の南海監督は捕手兼任の野村克也。裏の裏をかこうとする知将も舌を巻く打棒だった。
プロ9年目だった1971年の伊勢氏は112試合、365打数84安打の打率.230、28本塁打、64打点。この数字を見ればわかるように、安打数に対して本塁打率が高い。これは伊勢氏の特徴であり、ここぞのシーンでの価値ある一発が多かった。だからこそ「伊勢大明神」とも呼ばれたわけだが、そんな伊勢氏が「よく打ったイメージがありますね」と話すのが、野村監督率いる南海戦だ。
その年の10月3日の南海とのダブルヘッダー第2試合(藤井寺)では3打席連続本塁打。翌10月4日のダブルヘッダー・南海戦第2試合(日生)ではシーズン28号を逆転サヨナラ2ランで飾った。「サヨナラホームランの試合は0-1で負けていたんですよね。マッシー(村上雅則投手)に抑えられていたんですけど、9回ツーアウトからバッター(4番の)土井(正博)さんのところでピッチャーが西岡(三四郎投手)に代わったんですよ」。
燕のミーティングで“告白”「ヤマを張ったことがないんです」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜伊勢孝夫編〜
止まらぬ黒星地獄で伊勢孝夫に「助けてくれ」 2か月で監督も辞任…消えていた“野村克也の財産”|球界群像 伊勢孝夫#21
球団消滅も韓国球界オファーに「それはできないわ」 直前で“遭遇”…出会った逸材「これはええ」|球界群像 伊勢孝夫#20
指揮官にブチギレ「何やっているんだ!」 食事も拒否、伊勢孝夫が大荒れで出向いた所沢の夜|球界群像 伊勢孝夫#19
不仲の“最強助っ人”に説教「おかしいやろ!」 妻との問題で不機嫌…1週間口きかぬ事態|球界群像 伊勢孝夫#18
衝撃のがん宣告「早くて半年」 激務の伊勢孝夫を襲った“謎の腹痛”「腸が動いてない」|球界群像 伊勢孝夫#17
日本S直前に“暴かれた”去就 敵にバラされメディア殺到…名将が機嫌損ねた一言|球界群像 伊勢孝夫#16
長嶋一茂は「今は超一流」 伊勢孝夫の心残り…生かせなかった素質「練習は凄かった」|球界群像 伊勢孝夫#15
野村監督「秦と古田どっちを使う?」 名将に生じた迷い…助けを求めた“意外な人物”|球界群像 伊勢孝夫#14
1年で辞めた相棒…監督夫人に「やっていられない」 選手の前で伊勢孝夫が受けた公開説教、自由なきID野球|球界群像 伊勢孝夫#13
選んだのは2軍…恩人に伝えた「帰ります」 伊勢孝夫氏、熟考の末に“固辞”した入閣オファー|球界群像 伊勢孝夫#12