長嶋一茂は「今は超一流」 伊勢孝夫の心残り…生かせなかった素質「練習は凄かった」|球界群像 伊勢孝夫#15
ヤクルト時代の長嶋一茂【写真提供:産経新聞社】伊勢孝夫氏は燕コーチ時代に長嶋一茂を指導…練習では凄かったという
試合と練習のギャップがありすぎた。元ヤクルト打撃コーチの伊勢孝夫氏(野球評論家)が“もったいなかった逸材”と評するのが長嶋一茂内野手(元ヤクルト、巨人)だ。「練習はすごいんですよ。広い球場でも場外にボッコボコ出すんですからね」。だが、その力を本番では発揮できなかった。「基本的にはプレーボールがかかるとボールが怖いんですよ。そういう人はまず無理です」。何とかその弱点を克服させようとしたそうだが……。
“ミスタープロ野球”長嶋茂雄氏の長男である一茂内野手は1987年ドラフト1位で立大からヤクルトに入団した。1年目(1988年)は88試合、打率.203、4本塁打、22打点だったが、当時、広島1軍コーチだった伊勢氏は、その練習を見て「こいつは凄い。バッティングコーチとしては1回預かってみたいと思う素材だった」と話す。それだけに1989年シーズンにヤクルト2軍打撃コーチになった際は、一茂を指導するのが楽しみのひとつでもあった。
だが、実際に見てみると「何や、この程度かって思った」という。「それまでは中身を知りませんでしたからね。確かに練習だけだったらすごいんですよ。でもフリーバッティングはピッチャーが打たせにかかりますから。それならステップも真っ直ぐで、ものすごいバッティングをしますよ。だけどゲームになったらアウトステップする。インコースに放られると怖いんですよ。それがなくならない限り、何をやっても無理だって思いましたね」。
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(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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