ベンチで首脳陣に「肘が終わりました」 初回で交代直訴…元ドラ1が1球目で聞こえた“音”|球界群像 加藤伸一#11
南海、広島などでプレーした加藤伸一氏【写真:山口真司】加藤伸一氏はプロ3年目、4月に右肘痛を発症して離脱
パチッと音がした……。鳥取・倉吉北からドラフト1位で南海入りした加藤伸一氏(KMGホールディングス硬式野球部監督)はプロ1年目に5勝、2年目に9勝と成績をアップさせた。だが、3年目の1986年は22登板、3勝10敗2セーブ、防御率4.68とつまずいた。4月8日の阪急戦(大阪)に先発した際に右肘を痛めたのが、大きく響いた。実はその年、開幕前には不吉な出来事があったという。
3年目の1986年、加藤氏は4月4日の西武との開幕戦(西武)に2番手で登板し、1回無失点に切り抜けた。前年後半は右肘違和感に苦しんだ時期もあったが、それも乗り越えて、新しいシーズンのスタートだ。だが、試練はすぐにやってきた。2試合目の登板は4月8日の阪急戦での先発。開幕リリーフからは中3日でのマウンドだったが、いきなり阪急・福本豊外野手に先頭打者アーチを浴びた。
「確か、福本さんへの1球目だったかな、投げた瞬間にパチッって肘をやったんです。これは無理だなと手を上げようかと思ったんですよ、ベンチに。でもちょっとかっこ悪いから1回だけでも投げようと思って、全部真っ直ぐでごまかして……。(球速は)120キロくらいしか出ていなかったんじゃないですかねぇ。で、ホームランです」。その回、さらに1点を追加され、結局1回2失点で降板した。
開幕前には愛車にも“アクシデント”「エンジンルームに猫が」
4年目も状態が上がらず、6月末まで2軍暮らしと出遅れた
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜加藤伸一編〜
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