重すぎた“阪神ドラ1”「誰かに見られている」 気にしすぎた世間の目…陥った自意識過剰|球界群像 湯舟敏郎#12
阪神などで活躍した湯舟敏郎氏【写真:山口真司】元阪神の湯舟敏郎氏が痛感したレベルの高さ「プロは違う」
想像以上だった。阪神ドラフト1位左腕の湯舟敏郎氏(野球評論家)はプロ1年目の1991年、これまでに経験したことがない状態に陥ったという。「いつも誰かに見られている気がして……」。人気球団ならではの“重圧”だった。「自主トレからシーズンが終わるまで、最初の1年間は本当にしんどかったです」。プロの投手レベルの高さにも驚いたそうで、それこそ先発ローテ組には「勝てそうな部分がなかったです」と振り返った。
虎のドラフト1位に決まった時から湯舟氏への注目度は一気に高まった。何をやっても話題にされ、何を言ってもそれなりの扱いで報じられた。阪神が人気球団なのは承知していたことだが「そこまでの覚悟はしていませんでしたよね」と苦笑する。1年目の自主トレが始まると、さらに気が抜けない日々となった。「初めは、もう自意識過剰だと言われてもしょうがないんですけど、みんなに見られているような気がして……」。
テレビカメラに追われ、記者たちにマークされる立場。「今から思うと、本当はそこまで見られていないんですよ。でも、あの頃は勝手にそういう気になって……。何か気にしていたんですよね」。マスコミにコメントするだけでも神経を使うようになった。「質問に『そうですね』と答えたら、僕の言動になりますからね。だから、そうじゃなければ“違います。こうこうこうですよ”って言わないといけないのは勉強しましたね」。
プロ1年目は23登板で5勝、開幕3戦目の巨人戦で初登板
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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