懐刀の進言に星野監督も仰天「アホか!」 近藤真一の史上唯一“初登板ノーノー”の裏側|球界群像 早川実#9
初登板でノーヒット・ノーランを達成した近藤真一【写真:共同通信社】強固な信頼関係…星野仙一監督のそばに、早川実氏あり
星野仙一監督のそばに、早川実氏あり。決して大げさではなく、2人のことを知る人は誰でもそう思うはずだ。それほど絆は深く、信頼関係はとても強固だった。誰もが一歩引く闘将に、ズケズケとものを言えたのも、懐刀だったゆえのこと。何かについて「どう思うか」なんて聞かれた時に「○○すればいいんじゃないですか」と言ったこともあったし、聞かれもしないのに先回りして「○○したほうがいいですよ」と進言したこともあったという。
1987年8月9日、ナゴヤ球場での巨人戦。高卒ルーキー近藤真一(現・真市)が初登板、初先発でノーヒットノーランをやってのけた。この記録はいまだに2人目の達成者はいない。令和の怪物・ロッテの佐々木朗希だって、できなかった。実はこの大偉業の裏にあったのが早川氏の提案だ。当時の中日は小松辰雄、杉本正、鈴木孝政の3本柱以外の先発投手のやり繰りに苦心していた。その巨人戦もそうだった。
「だったら真一でいいじゃないですか」。巨人戦の前日に早川氏は星野監督にズバッと言った。「アホか! 全国放送だぞ! 高校生なんか投げさせられるか!」と怒られたが、翌日になると……。闘将は試合当日の練習中に近藤を呼び寄せ、先発でいくことを告げたのだ。「あの人はあの人なりにいろいろ考えたんじゃないでしょうか」と早川氏はいう。もちろん、大記録までは誰も予想していなかったが……。
監督勇退の“進言”に星野氏は「人ごとだと思って、勝手なことを言いやがって」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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