1日2000スイングも「簡単だろ」 2軍で鳴かず飛ばずも即2冠王…人生変えた鬼コーチ|球界群像 長内孝#5
元広島・長内孝氏【写真:山口真司】長内孝氏の素質を開花させた山本一義氏…地獄の猛練習を続けた
恩師との出会いが流れを変えた。元広島の強打者・長内孝氏にとってプロ2年目(1977年)のオフは大きな転機だった。広島1軍コーチだった山本一義氏が2軍打撃コーチに就任したことだ。想像を絶する猛練習の日々がスタートし、そこから打撃力が格段とアップしていった。「僕みたいなのでも、やればできるんだって思った時だったですねぇ……」。まさに“練習は嘘をつかない”を実感したという。
長内氏はプロ1年目は2軍で本塁打も打点もゼロ。2年目は2軍で3本塁打を放ったが、崇徳高から広島入りした1年後輩の山崎隆造氏や小川達明氏よりも成績は下。そんな時、山本一義コーチにこう言われたという。「おい、お前、来年からファームで4番を打たす!」。当時、広島市西区にあった三篠練習場でのことだった。「確か一義さんは練習もティーしか見ていなかったと思う。それがいきなりですからね。何言ってるの、このおっさん、って思いましたよ」。
戸惑う長内氏にはお構いなしに、山本コーチは真剣な表情でさらにこう続けた。「その代わり、ワシについてこい! ワシの言う通りにせい! 2軍でホームラン王と打点王を取らせる!」。長内氏は「はぁ」と答えるしかなかったそうだ。そして、地獄の猛練習が始まった。「全体練習で1000振る。それが終わったら、200か300くらい振る。寮に帰ったら、室内練習場で700くらい連続でティーをカンカンカンって打つ」。まだ終わりではない。
3年目に2軍で2冠王「2年目までは考えられなかったこと」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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