M1で“非情通告”「自分がまいた種」 メンバー外で祈ったV「使いづらい選手だった」|球界群像 天谷宗一郎#16
広島時代の天谷宗一郎氏【写真提供:産経新聞社】天谷宗一郎氏は2016年、広島が優勝を決めた日に登録抹消となった
優勝の瞬間がその日に来ることをひたすら祈っていた。2016年9月10日、緒方孝市監督率いる広島は25年ぶり7度目のリーグ制覇を成し遂げた。元広島外野手の天谷宗一郎氏(野球評論家)にとっては、プロ15年目にして初めて味わう優勝だった。胴上げ、ビールかけ……。歓喜に酔いしれたが、この日に決まってなければ、すべて経験できないところだった。9月10日に1軍登録を抹消され、2軍合流を1日だけ待ってもらっていたからだ。
天谷氏の選手生活は隔年で結果を出す傾向にあった。プロ11年目の2012年に108試合に出場し、1番打者として活躍したかと思えば、12年目の2013年は打撃不振に陥り、34試合の出場に留まった。13年目の2014年は59試合出場ながら、111打数35安打の打率.315。6月14日のロッテ戦(QVC)から1軍に昇格してスタメンでも代打でもチームに貢献した。この年に放った3本塁打は、すべて先頭打者アーチだった。
「あの年(2014年)は2軍で状態が上がって、すぐ呼ばれた。(野村謙二郎)監督のところに挨拶にいったら『おー、今日1番な』って言われたのを覚えています。で、次の日(6月15日)に先頭打者(弾)。たぶん、その年は代打率もよかったはずですよ(.333)。勝負所の代打は小窪(哲也)で、僕はチャンスメークのところで使ってもらった。野村さんが僕の性格をしっかり見てくれて、そうなったと思うし、それがうまくはまったなってところですね」。
V決定が延びれば、胴上げもビールかけも参加できなかった
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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