叶わぬ中日エースの願い「駄目だ」 “全盛期”が罠に…始まった「暗黒時代」|球界群像 野口茂樹#16
中日時代の野口茂樹氏【写真提供:産経新聞社】元中日・野口茂樹氏、10年目は退寮してホテル暮らし
流れが悪くなった。元中日エース左腕の野口茂樹氏はプロ10年目の2002年、わずか5登板、2勝1敗、防御率5.00に終わった。前年の2001年は最優秀防御率(2.46)と最多奪三振(187)のタイトルを獲得するなど活躍したが、その年の9月に左肘を痛め、それが長引いた。中日監督が星野仙一氏から山田久志氏に代わった最初のシーズンはリハビリがメインになった。「肘を痛めたことでバランスも崩れたと思う」。苦難の日々が始まった……。
2001年シーズン限りで恩師の星野監督が退任、絶大な信頼関係にあった中村武志捕手は横浜に移籍した。野口氏にとって大きな存在の2人が一気にいなくなった。その上、9月に痛めた左肘の状態が思わしくなかった。生活環境も変わった。入団以来、9年間過ごしてきた合宿所を出ることになった。「寮は野球をやるには環境がよかったし、もう1年いさせてほしいとお願いしたんですけど、駄目だって言われたのでね」。
退寮後はホテル暮らしを選んだ。「(名古屋駅前の)キャッスルプラザ、もうなくなりましたけどね。ホテルだとタクシーもすぐつかまるし、新幹線も近くでしたしね」。チーム内で“宇宙人”と呼ばれていたと言われるが「直接聞いたことはないですよ。まぁ寮に9年いたり、ホテルに住むと普通じゃないと思われたんじゃないですか。でも、その分、人にはお金を使っているので何も言われる筋合いはないですけどね。別に悪いことをしていたわけじゃありませんから」。
改善していた制球が乱れ…リーグワースト与四球59&与死球9
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜野口茂樹編〜
失った球速…130キロ台連発でコーチに「真面目に投げろ」 “最終登板”で飛んだ肘|球界群像 野口茂樹#15
日本記録阻止の阪神打線に「それはないぞ」 2度の偉業があと“1”で…中日左腕の嘆き|球界群像 野口茂樹#14
投げた瞬間「あっ」 19勝MVP左腕が大一番で味わった屈辱、一生忘れない“魔の1球”|球界群像 野口茂樹#13
19勝でも逃したタイトル「きついですよ」 MVP“以外”新人が総なめ…惜しんだ「1」|球界群像 野口茂樹#12
ノーノー翌年に「肩がパキッ」 苦しむ0勝&6.57…ごまかし利かずもまさかの“功名”|球界群像 野口茂樹#11
巨人主砲への死球で苦情殺到「外に出るのも危ない」 あらぬ“故意”疑惑に苦悩|球界群像 野口茂樹#10
大渋滞で開始直前に到着、6四球でボロボロ 「そんな雰囲気じゃなかった」も…“初勝利”で偉業達成|球界群像 野口茂樹#9
中日指揮官が「立っとけ!」 ベンチ横で直立不動…コーチから告げられた丸刈り指令|球界群像 野口茂樹#8
米武者修行も緊急帰国…即プロ初先発で打球直撃 消えた「シンデレラストーリー」|球界群像 野口茂樹#7
中日左腕が呼び出された監督室「何事かと」 2年目で体感した“別世界“「思ってもない」|球界群像 野口茂樹#6