“グラウンドの詐欺師”誕生の意外な真相 阪神エースからの報復で肋骨にヒビ|球界群像 達川光男#14
死球をアピールする広島時代の達川光男氏【写真提供:産経新聞社】「グラウンドの詐欺師」達川氏、“死球狙い”のはじまり
元広島捕手の達川光男氏と言えば、しつこいくらいの「当たった」「当たった」の“死球アピール”が有名だ。当たっていなくても、懸命に繰り広げる様子は珍プレー番組でもおなじみで「グラウンドの詐欺師」とまで言われたが、入団当初からやっていたわけではない。そうなるきっかけがあったという。それは、ある試合で2歳年下の長内孝内野手が、ベンチで古葉竹識監督に激怒されたことだった。
1977年ドラフト4位で東洋大から広島入りした達川氏はプロ5年目の1982年に77試合、176打数37安打の打率.210、3本塁打、13打点。スタメン試合数では、それまで大きな壁だった水沼四郎捕手と道原裕幸捕手の2人をついに上回った。8番捕手で出た6月18日の巨人戦(広島)では江川卓投手から2号ソロ。「初めて江川から打った。これでもうやめてもいいくらいの気持ちになりましたよ。その頃から体も大きくなったし、パワーもついてきたんじゃないかな」。
そして、その年の7月4日の中日戦(広島)で達川氏の死球アピールのきっかけとなる出来事があった。3-3の8回裏2死満塁で代打・長内。中日は2番手の牛島和彦投手が投げていた。「あの時、長内は満塁で牛島の(内角低めの)球が(右すねに)当たったんですよ。当たったからアンパイアがデッドボールと言うと思ったら、何も言わなかった。(中日)捕手の中尾(孝義)もさっと捕って、すっと投げた。(そのまま進行し)あげくに長内は三振したんです」。
その試合で達川氏は「8番・捕手」で起用され、途中交代。問題のシーンの時はベンチにいた。「(戻ってきた)長内に古葉さんが『何で(死球と)アピールしないんだ。当たったんだろう』と言ったら『当たりました』って。ますます古葉さんは頭にきて『満塁で当たったら何だ!』となってね。長内が『押し出しです』と答えたら、さらに怒っておられましたよ」。
元広島・達川光男氏【写真:山口真司】みのもんたから感謝…達川氏「みのさんのナレーションはうまかった」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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