幻に終わった“巨人・達川光男” 長嶋監督が熱望も…球団代表から打診「広島でやめた方が」|球界群像 達川光男#19
元広島・達川光男氏【写真:山口真司】 達川光男氏は1991年、広島の逆転優勝に貢献「津田!やったぞ」
広島の看板捕手・達川光男氏は1992年シーズン限りで現役を引退した。プロ15年目での決断だった。前年(1991年)には広島をリーグ優勝に導く活躍を見せたばかりだったが、西山秀二捕手や瀬戸輝信捕手ら若手への切り替え時期を感じ取り、身を引くようにユニホームを脱いだ。もっとも、この後に他球団で選手として復活する話もあったという。その年のオフ、13年ぶりに長嶋茂雄監督体制になった巨人からの誘いだった。
達川氏の引退前年(1991年)、山本浩二監督率いる広島は5年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた。終盤に中日を逆転してのVだった。炎のストッパー・津田恒実投手が病気のため、4月にチームを離脱。誰もが「津田のためにも」「津田さんのためにも」と奮い立ってつかんだ栄冠だった。10月13日の阪神とのダブルヘッダー第2試合(広島)に1-0。佐々岡真司投手と大野豊投手による完封リレーで決めた。
この試合、先発の佐々岡は「1試合目が終わって、2試合目が始まるまでに15分か20分しかないと言われて、コンタクトを入れようと思ったら手が震えて……」と、時間内にどうしても右目に入れることができず、左目だけ入れてマウンドに上がっていた。サインが見づらい状況だったため、事情を知った達川氏は「胸で(サインを)出した」という。そんな思わぬアクシデントもあったなかで、好リードで右腕を支えた。
1992年に引退決意、最後の守りは盟友・大野とともにリリーフカーで登場
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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