「逃げようかな」自宅に知らない車 猛烈勧誘に辟易…大先輩の誘いも蹴って選んだ道|球界群像 紀藤真琴#2
広島などで活躍した紀藤真琴氏【写真:山口真司】紀藤真琴氏は中学時代、2年先輩の工藤氏の剛速球を経験「速かったぁ」
元広島、中日、楽天右腕の紀藤真琴氏(株式会社EJフィールド代表取締役)は1978年、名古屋市立久方中学校の軟式野球部に入部した。当時の3年生エースはすでに高校球界から注目されていた左腕の工藤公康氏(元西武、ダイエー、巨人、横浜)だったが、そんな中で“あそこの中学にはもうひとりいるよ”的な形で噂の右腕になっていった。中学2年から主戦となり、3年時には愛知県の強豪校の監督たちが軒並み、自宅までスカウトに訪れたという。
名古屋市立高坂小学校時代に、練習を見てもらった中日・田尾安志外野手らプロをうならせるなど、投打ともに将来が楽しみな逸材として注目された紀藤氏だが、久方中では、まだまだ上がいた。幼いころから知る2歳上の工藤氏がさらにレベルアップし、3年生エースとして君臨していた。「あの時の工藤さんはもう楽勝で(球速が)130キロを超えていましたからね、速いなぁと思って見ていましたよ」。
その剛速球で痛い目にもあったという。「ピッチングをやっていた工藤さんに、『ちょっと打席に立って』と言われたんですよ。そしたら1球目が思いっきり、自分の左ケツに当たった。もうメチャクチャ痛かったのを覚えています。工藤さんは『悪い、悪い』って言っていましたけど、とにかく痛かったし、やっぱり速いなぁって思いましたよ」。まさに身を持って、先輩左腕の凄さを感じ取ったわけだ。
最終的に選んだのは中京…理由は「かっこいいから(笑)」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜紀藤真琴編〜
初のハローワークに「ちょっと恥ずかしい」 元プロが“捨てた”プライド、3年後に掴んだ出世|球界群像 紀藤真琴#27
まさかの指令に「それはダメですよ」 野村監督から高すぎる要求…田中将大を巡る苦悩|球界群像 紀藤真琴#26
パ球団に移籍も…待っていた悪夢「これは無理」 40度の高熱に効かない薬「重症だった」|球界群像 紀藤真琴#25
契約更改で異例の懇願「年俸上げないで」 広島→中日で復活も…見据えた“終わり”|球界群像 紀藤真琴#24
引退よぎるも中日からトレード打診 「冗談半分」のはずが…“闘将”から「お前が欲しい」|球界群像 紀藤真琴#23
右肘が「グチュグチュ」 32歳で動かぬ体…失ったエースの座、周囲から“哀れみの目”|球界群像 紀藤真琴#22
痛み止め頼るも悲鳴上げる肉体 広島エースは「ちょっと鬱に」…“拒否”された2軍落ち|球界群像 紀藤真琴#21
キャンプ負傷→指揮官は激昂 復帰急かされ…全身に広がった痛み、“破壊”された防御率|球界群像 紀藤真琴#20
中日主砲が「全然、去年と違う」 半信半疑だった“大改造”…成功を確信したきっかけ|球界群像 紀藤真琴#19
「お前なんか使えねぇ」…植え付けられたマイナス思考 「0-4-4-3-3-0-1」を変えた出会い|球界群像 紀藤真琴#18