勝手に決まった法元英明氏の中日入り「おかしい」 契約金交渉も蚊帳の外「親の操り人形みたい」|球界群像 法元英明#4
中日でプレーした法元英明氏【写真:山口真司】法元英明氏は関西大を3年で中退…1956年に投手として中日入団
気がつけば家で中日の話がよく出ていた。7月25日の中日OB戦「DRAGONS CLASSIC LEGEND GAME2024」で総監督を務める法元英明(ほうもと・ひであき)氏は関西大を3年で中退し、1956年に左腕投手として中日に入団した。南海に誘われた時は固辞したが、家庭の事情でプロ入りを決断したという。大学時代は投手兼外野手の二刀流だったこともあり、中日首脳陣は打力にも着目。プロ2年目は投手ながら代打でも起用され、15打数7安打の打率.467をマークした。
関大進学後、投手として急成長を遂げた法元氏の野球人生が転換したのは、大学3年秋のリーグ戦が終わってからだったという。「結局ね、家の状態がちょっと良くなくて、金銭面でね。まぁ、あの頃はみんな貧乏だったけどね。ウチのおとっつぁんも借金があったんだろうなぁ。そういうことは一切言わなかったけど、ある日、突然、おとっつぁんと誰かが話して中日に行くことが決まったんだよ」。
それ以前に父親の知人である医師を通じて南海から誘われた時は、学生生活優先を希望して「そんなの行かへん」と抵抗。いつしか、立ち消えになっていたが、中日の話の時はそうもいかなかったという。「なんか家でドラゴンズの話ばかりするから、おかしいとは思っていた。『名古屋の中日はお客さんもよう入るんだ』と言い出して、間に入っている人は『法元はバッティングも両方ええからな』とか言いながらね」。
加えて当時の大学生に、中退してプロの道に進む選手が何人もいたことにも影響された。「立命大の西尾(慈高)さんとか、同志社大の青木(稔)とか国松(彰)とかがプロに行きよるねん。そういうものなのかなと思って見ていた。大学卒業してからだったら潰されるから、みんな今のうちに行くのかとも思ったね」。立命大のエース・西尾は中退して大阪(現阪神)入り。同志社大の右腕・青木、左腕・国松は中退して巨人入りしたし、他にもいた。そんな時代でもあった。
プロ2年目は投手と代打の“二刀流”…3年目に野手へ完全転向
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜法元英明編〜
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