突如イップスを発症「藤浪の気持ちが分かる」 入らないストライク、止まらない罵倒|球界群像 田村勤#5
阪神で活躍した田村勤氏【写真:山口真司】駒大進学も…田村勤氏が陥った変化球イップス「もうボロボロでした」
懺悔するしかなかった。元阪神、オリックス投手の田村勤氏は駒沢大では力を発揮できない日々が続いた。左の本格派投手として期待され、特待生で入学したが、試合でカーブがすっぽ抜けたのがきっかけで変化球を投げられなくなり、そこからドツボにはまった。「挫折、挫折、挫折でもうボロボロでした」。誘ってくれた駒大・太田誠監督にも申し訳ない気持ちでいっぱい。せめてもの償いのつもりでグラウンドの芝生整備をやったりもしたという。
静岡・島田高から駒沢大学に進学した田村氏は期待の星だった。「受験番号1番でセレクションみたいなのを受けましたからね。でも、そんな期待をすごく重荷に感じて……」と今でも苦しげに話す。「期待されて結果が出ないから、毎回毎回、負けた試合のあとのミーティングではもう餌食でした。『なんでカーブが投げられないんだ』とか『マウンドで闘う姿勢がない』とかもう全部ですわ。技術的な部分で不安になったら、余計その姿がマウンドで出ちゃうでしょ」。
始まりは1984年の大学1年の時だった。「試合でカーブがすっぽ抜けて、それからカーブを投げるのが怖くなったんです。高校の時は、カーブを普通に投げていたけど、そんなに確立していなかったんですよね。変化球を投げなくてもストレートだけでいけたんで。でも大学になったらそうはいかない。変化球を投げないと打たれるじゃないですか。で、カーブを投げたら、滑っちゃったというか……。高校の時にはそんなことなかったのに……」。
償いの気持ちで続けた芝生整備「もうホント懺悔の日々でした」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜田村勤編〜
阪神“暗黒時代”は「つらくはなかった」 5度の最下位も…忘れられない“追い風”|球界群像 田村勤#16
4月降格で悟った“終わり” 戦力外から再起も…麻痺した感覚「指から離れない」|球界群像 田村勤#15
1軍登板ゼロ→阪神戦力外 引退試合の提案も固辞…確信した“新天地”での復活|球界群像 田村勤#14
松井秀喜は阪神戦が「怖かったと思う」 仕事人が投球練習で打った“布石”「何回かやった」|球界群像 田村勤#13
肘痛の次は肩痛…グチャグチャのフォーム「もうわからない」 大乱調で“笑いもの”の屈辱|球界群像 田村勤#12
阪神躍進の裏で…崩壊した肘「もうやばかった」 投げられないのに昇格、悪化し続けた痛み|球界群像 田村勤#11
壊れ始めていた肘「何かチクッと」 初回から作る肩…阪神左腕の後悔「無防備でした」|球界群像 田村勤#10
初登板で被弾→降板命令も異例の拒否 覚悟した2軍降格も…運命変えた“二つ返事”|球界群像 田村勤#9
巨人から声かからずも…熱心だった阪神「名前を挙げてくれ」 “強制練習”で好転した野球人生|球界群像 田村勤#8
公衆の面前で監督が激怒「チャラチャラしやがって」 田村勤氏の決断…先輩との“決別”|球界群像 田村勤#7