当初は拒んだ楽天入りも「そこまで言われるなら…」 “思い出作り”で蘇った元HR王|球界群像 山崎武司#20
楽天などで活躍した山崎武司氏【写真提供:産経新聞社】山崎武司氏は新球団の楽天入団…田尾監督のラブコールに応えた
野球評論家の山崎武司氏(元中日、オリックス、楽天)は2005年から新球団・楽天でプレーした。初代監督の田尾安志氏に誘われてのことだったが、当初は入団を渋っていた。2004年にオリックスを戦力外。人間関係の問題があったものの、成績もダウンしており、もはや引き際と判断していたからだ。それがひっくり返ったのは田尾監督の熱意を感じたこと、長男・大貴さんに「野球をやって」と言われたから。「誰に何を言われようが、2軍に落ちようが野球を楽しもう」と現役続行を決意した。
山崎氏はオリックスを戦力外となった2004年で現役引退するつもりだった。その年の成績は62試合、151打数37安打の打率.245、4本塁打、20打点。伊原春樹監督と波長が合わず、精神的にも苦しいシーズンだったとはいえ、思うような打撃ができていなかったことも痛感していたからだ。そんな時に新球団の楽天・田尾監督に誘われたが、最初は断ったという。「『武司、やろうぜ』って声をかけてもらったけど、自信がなかったから『もういいです』と言いました」。
それでも田尾監督は「オリックスで崩れているのを見ていましたからね。あれでやめたらもったいない、すぐ直せると思っていました」と後に話したように、獲得を諦めなかった。断っても続く熱烈なアプローチに山崎氏の心も揺れ動き始めた。「息子からも『野球をやってくれ』ってすごく言われていたのでね。田尾さんには2回断って、3回目くらいだったかなぁ、そこまで言われるんだったらやってみようかとなった」という。
「正直なところ、最後の思い出作りに1年だけ仙台に行ってみようと思った。野球を小学2年の時から30代後半までやって、最後に何を言われようが、2軍落ちしようが、何か野球を楽しんで1年終わろうかなと思ってね。ほんの軽い気持ちで仙台に行ったんです」。いろんなことを気にせず、野球だけに向き合ってみる。これまでとは違って、楽な気分で新天地に向かったわけだ。
中日などで活躍した山崎武司氏【写真:山口真司】5年ぶり規定打席到達で25HR「田尾さんに教えてもらって復活できた」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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