早すぎる“宣告”に受けたショック 突然見切られ「ああ、辞めよう」、中日名手の覚悟|球界群像 荒木雅博#25
元中日・荒木雅博氏【写真:木村竜也】荒木雅博氏はプロ23年目の2018年限りで現役を引退した
元中日内野手で名球会メンバーの荒木雅博氏(野球評論家)はプロ23年目の2018年限りで現役生活を終えた。通算2000安打を達成した翌年のことだったが、実はシーズン前、オープン戦より前の2月の春季キャンプの時点で腹をくくっていたという。その段階で自身に限界を感じたわけではない。「力になりたいと思ってやっていたんですけど、まだキャンプの途中に……。びっくりしました」と何とも言えない表情で話した。
2018年の荒木氏は1軍内野守備走塁コーチ兼任の肩書き付きでスタートしたが、選手としてチームの力になろうと例年同様にキャンプインした。前年2017年6月3日の楽天戦(ナゴヤドーム)で通算2000安打に到達したのも通過点。まだまだヒットを積み重ねていく気構えでもあった。しかし、そんな気持ちも、いきなりなえる出来事がキャンプ途中にあったという。「その時に『開幕は2軍で』って言われたんです」。
首脳陣の一人に伝えられたそうで「(中日監督の)森(繁和)さんじゃないです」と話したが、その時期に通告されたショックは大きかった。「あの時、俺は何でプロ野球を続けているんだろうって思った。勝ちたいから、チームの力になりたいから、やっているのにまだオープン戦もしていない時に言われて……。世代交代はわかる。だけど(毎年競争して)力がある人、結果を残した人が出る世界じゃないのって……」。
1995年ドラフト1位で熊本県立熊本工から中日入りした荒木氏は、常に危機感と背中合わせのなか、練習を積み重ねて、必死になってレギュラーの座を手に入れた。主力になってからも安心することはなく継続練習でチーム内のライバルたちとの競争にも勝って結果を出していった。年齢を重ね、世代交代によって出場機会が減っても、やれることは全力で取り組んだ。後輩にアドバイスを送りながらも、一選手でもある。それだけに戦う前から2軍と言われたのが……。
10月6日の引退表明会見で「やりきりすぎて涙も出ないです」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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