右肘が「グチュグチュ」 32歳で動かぬ体…失ったエースの座、周囲から“哀れみの目”|球界群像 紀藤真琴#22
元広島・紀藤真琴氏【写真:山口真司】元広島・紀藤氏が苦しんだ14年目「肘に水が溜まった」
これまでの無理が……。元広島エース右腕の紀藤真琴氏(株式会社EJフィールド代表取締役)は、プロ11年目の1994年から3年連続2桁勝利をマークしてチームを支えたが、14年目の1997年は一転して1勝に終わった。「肘に水が溜まったりしだしたんですよねぇ」。それでも必死に投げた。2軍調整を経てシーズン終盤には先発から中継ぎに回されたが、気持ちを切らすことはなかった。そんな時に敵地・神宮球場で、忘れられない出来事があったという。
1994年に先発転向で16勝をマークし、赤ヘルの主戦投手になった紀藤氏は1995年に10勝、1996年には12勝と数字を残した。だが、1997年は17登板、1勝5敗、防御率5.66に終わった。開幕3戦目の4月8日のヤクルト戦(神宮)に先発したが、2回1失点で降板して登録を抹消された。「投げている途中にどこかを痛めたんでしょうけど、あまり記憶がないんですよね。まぁ、いろんなところを痛めていた感じだったのでね」。
前年(1996年)終盤に腰痛と右肘痛を抱えながら、先発として投げ続けたが、そんな無理もたたったのだろう。「もう32歳になる年ですからね。ちょっと体がしんどいという時期にはなってきていましたよね」。2軍調整後、5月中旬に1軍復帰。5月22日のヤクルト戦(神宮)では吉井理人投手との投げ合いを制して、完封でシーズン1勝目を挙げた。「お互いが150キロを出したりして2-0で勝ったんですけどね」。それがこの年の唯一の白星になった。
敵地・神宮で受けた大歓声「ああ、やってきてよかったなぁ」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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