大一番で股間を抜けた打球「やっちゃった」 鬼の形相の指揮官が…意気に感じた“温情”|球界群像 川又米利#11
元中日監督の星野仙一氏(左)と川又米利氏【写真:本人提供】川又米利氏は1988年日本シリーズでミスの翌日にスタメン…2ランで期待に応えた
よく怒られたけど……。元中日で野球評論家の川又米利氏の野球人生において欠かせない人物は、何といっても星野仙一氏だ。その現役時代からお世話になり、監督と選手の関係になってからは、より“密”に……。闘将からは「ヨネ」と呼ばれ、何かにつけて厳しい言葉でハッパをかけられた。ある日の試合中のベンチでは「お前なんか2度と使わん! 帰れぇ!」と声を荒げられたこともあったという。
星野監督のカミナリはド迫力だ。特に血気盛んな青年監督だった第1次中日監督時代(1987年~1991年)はハンパではなかった。「戦闘服」と呼んだユニホームを着ている時は、恐ろしいオーラを漂わせた。声はドスが利いて、大音響。それを食らって震え上がらない方が珍しいと言っていい。川又氏はそのカミナリを何度も何度も浴びた。「手をあげられたことは一度もないけど、よくどやされました」。その一例が試合中に言われた「2度と使わん! 帰れぇ!」だ。
「その時、僕が何をしたのかは覚えていないけど、まぁ、よっぽど何かやったのだと思いますよ。はっきり、そう言われましたからね」。でも、川又氏は踏ん張った。「そんなことを言われたからって、帰ることはできないじゃないですか。その日は耐えながら、最後までベンチにいて、声出しをしていました」という。「そしたらね、次の日はちゃんと使ってくれたんですよ。もうちょっとしっかりしなきゃいかん、頑張らないかんという気持ちにもなりましたね」。
中日で活躍した川又米利氏【写真:山口真司】1991年は巨人との開幕戦で8回2死三塁から同点アーチ
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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