優勝決定もファンに“謝罪” 「こんなゲームで申し訳ない」…抗議の空振りに「もう振るな」|球界群像 田尾安志#12
元中日・田尾安志氏【写真:山口真司】激烈タイトル争い…勝てば優勝の大一番で田尾安志氏は5打席連続四球
1982年10月18日、中日は8年ぶり3度目のリーグ優勝を成し遂げた。シーズン最終130試合目の大洋(現DeNA)戦(横浜)に8-0で勝って決めた。負ければ巨人優勝という大一番で、エース・小松辰雄投手が2安打完封勝利を飾ったが、この試合で話題になったのが、大洋が長崎啓二外野手に首位打者を取らせるために中日・田尾安志外野手との勝負を避け、5打席連続で四球を与えたことだ。最後の打席では抗議の空振りもした田尾氏が当時を振り返った。
その年の最後のカードが大洋との3連戦だった。田尾氏は1戦目(10月16日)に3打数2安打、2戦目(10月17日)も5打数4安打。打率をトップの長崎の.3510に9毛差の.3501にまでアップさせた。だが「たぶん、次の日は勝負してこないだろうなって自分の中では思ってはいたんです」。それよりも最終戦に勝つか引き分けで優勝、負ければ優勝を逃す大一番。そちらの方で気持ちは高ぶっていた。
最終戦に田尾氏は「1番・右翼」で出場した。長崎をスタメンから外した大洋からは、やはり徹底的に勝負を避けられた。第1打席から、まともな球は1球も来なかった。敵地・横浜スタジアムに詰め掛けた中日ファンはその度にどよめいたが、優勝がかかった大事な試合だ。当たり前だが、まず勝利を優先させないといけない。何ともいえない表情を浮かべながら、田尾氏は一塁へと向かった。
カウント3-0から敬遠球を2球連続空振り…「三振するつもりでした」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜田尾安志編〜
田尾安志が闘う“国指定の難病” 70歳も残る未練…楽天では「まだ監督までになっていなかった」|球界群像 田尾安志#21
ほぼ100敗→1年で解任も…予期せぬ胴上げ 「恥ずかしいからやめてくれ」楽天・田尾安志監督の最終戦|球界群像 田尾安志#20
「休養しろ」に納得できず…三木谷氏に直電 3年契約も1年でクビ、楽天初代監督・田尾安志の無念|球界群像 田尾安志#19
楽天は「もう100%最下位」 予期せぬオファーに苦悩…妻のひと声で決めた初代監督|球界群像 田尾安志#18
「今日でやめます」田尾安志、突然の引退表明に“大混乱” 阪神・中村監督の一言で…プツリと切れた気持ち|球界群像 田尾安志#17
阪神・村山監督が「僕をクビにしようと思っている」 “勝ちたい発言”で冷遇…田尾安志が抱いた違和感|球界群像 田尾安志#16
「森さんの下ではやりたくない」 新天地2年でトレード志願…引き金は“清原問題”|球界群像 田尾安志#15
元ドラ1が電撃トレードで放出「嫌われていた」 スター絶頂期も…球団代表との根深い確執|球界群像 田尾安志#14
中日が逃した日本一、審判に困惑「なんで」 “阻止”された先制点…流れ変えた悲劇|球界群像 田尾安志#13
「なめているのか」グラウンドでコーチと“大喧嘩” 代打も拒否…覚悟したトレード|球界群像 田尾安志#11