指揮官が椅子を蹴り激怒「何考えとるんじゃあ!」 阪神Vの裏で…脳裏に焼き付く“悲劇”|球界群像 長嶋清幸#27
巨人戦で脱臼した阪神時代の濱中治【写真提供:産経新聞社】長嶋清幸氏、阪神コーチ時代の2003年に優勝
2003年に阪神は18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた。愛知県犬山市の「元祖台湾カレー犬山店」のオーナー・長嶋清幸氏は当時、星野仙一監督の下で1軍守備走塁コーチを務めていたが「その年は思い出したくない思い出があるよね」とつぶやいた。開幕から4番打者を務め、打撃絶好調だった濱中おさむ外野手がシーズン途中の守備で右肩脱臼、右肩関節唇損傷で戦線離脱を余儀なくされたことだ。担当コーチとして監督室に呼ばれ、闘将に激怒されたという。
星野阪神が歓喜の優勝を飾った2003年だが、長嶋氏の口からまず出てきたのは「あの年はやっぱり濱ちゃん(濱中)だろうなぁ」だった。最初のつまずきは5月20日の広島戦(甲子園)だった。2回表、先頭の4番・濱中は12球粘った末に四球を選んで出塁、5番・片岡篤史内野手は一邪飛、6番のジョージ・アリアス内野手は三振で2死となり、7番・矢野輝弘捕手が打席に入ったところで、濱中が佐々岡真司投手の牽制にひっかかってアウトとなった。
「俺らは常にゲームの中で起こるであろうことの準備を選手に伝えるわけ。あの時も牽制があるから気をつけろって言っていたんだけどね。まぁアウトになるだけだったら俺が怒られればいい話だったんだけど、肩も痛めちゃった。バッティングが(11本塁打を放つなど)絶好調だっただけにねぇ」。濱中は逆をつかれて手で帰塁した際に右肩を亜脱臼。本人の強い希望もあって2軍で調整せず、1軍で代打出場を続けながら、右肩のチェックをしていくことになった。
広島など4球団でプレーした長嶋清幸氏【写真:山口真司】ひたすら頭を下げ「すみません、すみません」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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