ヤンキースにとって痛恨のスキャンダル ピネダの反則投球に球団幹部も「我々は組織として責任がある」と猛省
ピネダの反則投球を米メディアも一斉に報じる
松ヤニを使った反則投球疑惑でメジャーに波紋を呼んでいたヤンキースのマイケル・ピネダ投手が23日のレッドソックス戦で、新たに首に松ヤニを塗り込んでいたことが発覚し、2回に退場処分を受けた。「ピネダが首に松ヤニを塗り込み、退場」と地元紙ニューヨーク・ポスト電子版が報じ、さらにESPNなどの米メディアも一斉に伝えている。試合はレッドソックスが5-1で勝利している。
先発ローテーション5番手ながら、この試合まで防御率1・00で田中将大とともに将来のヤンキースを背負うエースと期待されていたピネダはまったく懲りていなかった。2点リードされた2回裏、グレディ・サイズモアの打席で、レッドソックスのジョン・ファレル監督が主審のゲリー・デイビス氏に「彼は何かを持ち込んでいるようだ」とピネダを調べるように要求したという。
デイビス氏はピネダの腕、ボール、そして、首の右側をチェックすると、輝くネバネバする物体を発見。これはテレビ中継でも明白だったため、主審は右手の指をベンチに向け、ピネダに即時退場処分を言い渡した。
試合後、報道陣に囲まれたピネダはすでに同僚に謝罪しており、「自分でやりました。松ヤニです。この失敗から学びます。このようなことはもう起こしません」と自供したという。
理由は寒さと初回の2失点だったようだ。「初回ボールの握りがあまり良くなかった。もう打たれたくなかったので(松ヤニを)塗りました」とコメントしている。
ニューヨーク・ポストによると、メジャーリーグの規定では投手がピッチングの際、松ヤニを使用する反則投球を行った場合は10試合の出場停止処分になると明記されているため、処罰はこのガイドラインに従うことになりそうだ。
ピネダの挙動は試合前から注目を浴びていた。4月10日に行われた前回のレッドソックス戦で先発した際は、松ヤニ状の物体を利き腕の右の手のひらにたっぷりと忍ばせ、刷り込んでいるところをボストンのケーブルテレビ局がしっかりと捉え、放送中に指摘。この反則投球疑惑がツイッターやインターネット上で炎上し、メジャー全体の問題となっていた。
「松ヤニじゃない。汗を止めるために泥を使った」
ピネダはそう釈明。また、5回から手をキレイにしていたために、レッドソックスのファレル監督も「私が気付いた時にはなくなっていた」と試合中に主審に申し立てを行わなかった。そのため、リーグからの処分もなかった。