新人王の最有力候補!? 実戦12イニング無失点、DeNAドラ1今永の凄さとは
2日のヤクルト戦で完璧投球、注目を浴びたのは山田への148キロ直球だが…
22歳の新人投手が、まるでベテランのような老かいな「技」で衝撃を与えた。
DeNAのドラフト1位ルーキー・今永昇太投手が、2日のヤクルトとのオープン戦(横浜)に先発。5回1安打無失点と完璧な本拠地デビューを飾った。
昨季のセ・リーグを制した強力打線を、期待の新人が抑える快投にメディアも色めき立った。とりわけトリプルスリーを達成した3番・山田に対し、初回2死から自己最速タイの148キロ直球で空振り三振を奪った場面にこぞって注目。豪快なピッチングがクローズアップされたが、この試合で今永の凄みを感じさせたのは、むしろ変化球の方といえるだろう。
3回2死、9番・中村を迎えた場面、カウント1ボール2ストライクから4球目の勝負球に選んだのはチェンジアップだった。打者の懐に沈む軌道を描き、中村は少し驚いたように腰をのけぞらせて見逃し三振。ここに、ドラ1左腕の2つの「技」が見て取れた。
一般的にチェンジアップは抜けやすい球種でもあり、左投手が右打者の内角に投げると、真ん中に入って痛打される危険がある。ところが、今永は2ストライクと追い込んだ勝負所できっちりとストライクゾーンいっぱいにコントロールしていた。その制球力は、すでに新人離れしている。
もう一つは、他球種とのコンビネーションの巧さだ。今永は3球目に高めに直球を投げ、ボールにしていた。その直後に同じ腕の振りでチェンジアップを投じ、打者のタイミングを完全にずらした。リリースの瞬間は直球が胸元に来ると感じたのか、中村が驚いたような動作をしたが、実際には懐付近のストライクゾーンに沈んだ。見事に打者の心理を翻弄していた場面だ。