智弁学園、11回サヨナラ勝ちで春夏通じ初V エース村上が1失点完投&決勝打
村上は全5試合完投、決勝も1失点に抑える
第88回選抜高校野球大会は31日、甲子園球場で決勝戦が行われ、智弁学園(奈良)が高松商(香川)を延長戦の末に2-1で破り、初優勝を成し遂げた。11回に劇的なサヨナラ勝ちを収め、奈良勢としては97年の天理以来19年ぶりの選抜優勝となった。
試合は1点を争う好ゲームとなった。高松商は初回、先頭の安西翼がいきなり右翼線への痛烈な安打を放った。俊足を生かして、三塁打で先制のチャンス。2番の荒内俊輔は投手の野選となり、ノーアウト一、三塁。しかし、ここで智弁学園先発の村上頌樹が粘った。3番の好打者・米麦圭造を三塁併殺に仕留め、4番の植田響介も三直に打ち取り、得点を与えなかった。
0-0の2回。先取点は智弁学園だった。1アウトから村上が四球を選び、7番・大橋駿平の中前打で1、3塁。8番で準決勝からスタメンに名を連ねている中村晃の二塁ゴロの間に三塁走者が生還。高松商のエース・浦大輝から1点を奪った。
村上と浦の投手戦は続く。6回に高松商は2アウトから植田響の二塁打美濃晃成の四球で一、二塁のチャンスを作ったが、植田理久都が空振り三振で無得点。一方の浦も丁寧な投球で智弁打線を抑え込んでいった。
8回、高松商は先頭の安西がファーストへのゴロ。一塁の高橋直暉が捕球してベースへ駆け込むが、安西のスピードの方が速く、セーフに。荒内が送り、3番の米麦が初球を叩いて、センターへタイムリーヒット。終盤に同点に追いついた。
智弁学園もその裏、2アウトから岡沢智基、太田英毅の連打で二、三塁と勝ち越しのチャンスを作ったが4番に福元悠真が三塁ゴロに倒れ、無得点。試合は9回でも勝負がつかず、延長戦に突入した。
激闘に決着がついたのは11回裏。試合を決めたのはエースだった。智弁学園は2アウト一塁から、ここまで一人で投げ抜いてきたエース村上がセンターオーバーのタイムリーを放ち、サヨナラ勝利。劇的な幕切れで初優勝を成し遂げた。
昨秋の明治神宮大会覇者・高松商はエースの浦が投げ抜いてきたが最後は力尽き、秋春連覇はならなかった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count