劇的サヨナラ弾の広島・鈴木、規定打席到達で一気にセ打率4位に
激戦決着の本塁打に「最高です」絶叫
17日のオリックス戦で、広島の鈴木誠也がサヨナラ本塁打を放った。延長12回、4時間51分の激戦に決着をつけた一打に、鈴木はお立ち台で「最高です」を連呼した。
チームの負けがなくなった12回裏、先頭の磯村が二塁打を放ち、無死2塁のチャンスでの打席だった。1球目、2球目と外角に大きく外れる球で、塁を埋めるための敬遠策とも思われたが、「(歩かされるという気持ちは)なかったです。とりあえず甘く入ったところをいこうと思った」と、積極性を失わなかった。
空振りとファールで追い込まれたが、フルカウントとなった8球目のスライダーをとらえた打球は、レフトスタンドへ飛び込んだ。鈴木は「泳がされたけど、引っかかった感触はあったので、入れと思って走った」と、興奮気味に話した。
9回のサヨナラのチャンスには、オリックスの守護神の前にサードゴロに倒れていた。「平野さんとの対戦の時、自分の間合いでタイミングが取れていなかった。力んで自分のスイングができなかった」と反省し、次の打席に生かした。「追い込まれてからは、足を上げずにノーステップでいった。なんとか食らいつこうと思った結果が、ああいうスイングになった。結果が出てよかった」と笑顔を見せた。
この日の6打席で規定打席に達し、打率.313で一気にリーグ4位にランクインした。それでも鈴木は「規定打席は目標だったが、打率のことは全く考えていない。まだまだ先は長いので、悪い時が長くならないようにやっていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo