カブス、108年ぶり世界一へ逆王手 ラッセルが松井らに並ぶWS記録の6打点

“ヤギの呪い”がついに解けるか、ラッセルの1試合6打点は松井を含めて史上4人目

 カブスは1日(日本時間2日)、ワールドシリーズ第6戦でインディアンスに9-3で快勝し、108年ぶりの世界一へ逆王手をかけた。アディソン・ラッセル内野手が満塁弾を放つなど、3回までに7点を奪取。ラッセルは1試合6打点で、2009年の松井秀喜(ヤンキース)らに並ぶワールドシリーズ最多記録をマークした。3勝3敗のタイとして、“ヤギの呪い”が解けるまで、あと1勝に迫った。

 カブスは初回、インディアンスの先発トムリンに対して、2死からブライアントが先制弾。さらに、リゾ、ゾブリストの連打でチャンスを作ると、ラッセルの右中間へのフライを中堅手と右翼手が“お見合い”。二塁打で2者が生還し、3点を先制した。

 3回には2本のヒットと四球で1死満塁のチャンス。インディアンスはここで2番手のオテロを投入したが、続くラッセルは満塁弾。7-0と大きくリードを広げた。ラッセルの1試合6打点は、1960年のボビー・リチャードソン(ヤンキース)、2009年の松井秀喜、2011年のアルバート・プホルス(当時カージナルス)に並ぶワールドシリーズタイ記録となった。松井は2009年の第6戦(フィリーズ戦)で6打点をマーク。ヤンキースはこの試合で世界一を決め、松井はワールドシリーズMVPに輝いた。

 カブス先発アリエッタは4回にナポリにタイムリーを許し、5回にはキプニスにソロホームランを浴びて2失点。6回2死で左腕モンゴメリーにスイッチすると、7回2死一、二塁の場面では守護神チャップマンがマウンドへ。リンドーは一塁へのゴロで、チャップマンがベースカバーに入った。微妙なタイミングでセーフの判定も、カブスがチャレンジしてアウト。チャップマンはこのベースカバーで右足首を捻り、痛みに表情を歪めた。

 しかし、8回も続投して無失点。9回にカブスがリッゾの2ランで追加点を奪うと、チャップマンはその裏も続投。しかし、先頭打者に四球を出したところで降板すると、最後はストロップ、ウッドとつないで9-3で快勝した。

 カブスは1908年以来のワールドシリーズ制覇へ逆王手。107年も世界一から遠ざかっているのは、“ヤギの呪い(ビリー・ゴートの呪い)”があるからだと語り継がれている。1945年のワールドシリーズ第4戦で、ヤギを連れてカブスの本拠地リグレー・フィールドに観戦に訪れた酒場店主のウィリアム・サイアニスさん(愛称はビリー・ゴート)が、飼っていたヤギの入場を拒否されて激怒。その際に「カブスは2度とワールドシリーズに勝てない」と言い放ったとされている。

 カブスが“ヤギの呪い”を解き、108年ぶりに世界一となるのか。それとも、インディアンスが68年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たすのか。3勝3敗で迎える第7戦は2日(日本時間3日午前9時)にクリーブランドのプログレッシブ・フィールドでプレーボールとなる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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