“決めごと”ばかりの生活も「女房を楽に」 神懸かりな1年を支えた妻の献身|球界群像 鈴木孝政#17
中日で通算124勝94敗96セーブを記録した鈴木孝政氏【写真:共同通信社】1984年シーズンに16勝をマークした鈴木孝政氏を支えた奈知代夫人
名古屋で勝ちまくった。中日OB会長で野球評論家の鈴木孝政氏は、1984年シーズンに16勝をマークしたが、そのうち12勝が本拠地・ナゴヤ球場でのものだった。「最初は勝てなくてねぇ。0勝2敗から始まったと記憶している。その時、家で女房にこぼしたことがあるんだよね。『今年勝てないかもしれない』って。そしたら女房が『そんな年があってもいいんじゃないの』って言った。あれで、どれだけ楽になったか。それをすごく覚えている」。奈知代夫人のひと言で気持ちが切り替わったという。
「あの年、名古屋では調子が悪くてもなぜか勝てた。名古屋のエースだったよね」。カムバック賞を受賞したシーズンでもある1984年を振り返りながら鈴木氏は笑みをこぼした。そして「俺が名古屋で勝つと女房はうれしいよね。自分が管理して、そういう意味では戦っているわけだからね」と続けた。実際、その年に限らず奈知代夫人のバックアップがあって、鈴木氏の野球人生は成り立っているといっていい。
「料理の品数は5種類以上出してくれって言ったりしていたからね。ほかにもいろいろ大変だったと思うよ。遠征があったからバランスが取れていた。あれで遠征がなかったら、それこそねぇ……」。鈴木氏はゲンも担ぐ。「ソックスは左足からじゃないと履かなかったし、先発だったらニューソックスを履いたし、ベンチから出てラインをまたぐ時は右足でとか、いくつもあったよ」。もちろん、グラウンドだけでなく、家の中でもいろいろあったようだ。
先発当日に必ず食べるあんパン…忘れた日は夫人が届けてくれた
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜鈴木孝政編〜
突然の“首脳陣一掃”で戻ってきた落合博満 監督就任は幻に…低迷する中日への思い|球界群像 鈴木孝政#23
「俺、いらないのかな」落合竜を1年で去ったワケ 「入院しろ」拒否して見せた“意地”|球界群像 鈴木孝政#22
「年齢違反じゃないのか」 辛辣ヤジも…腐らず全うした“34歳の2軍開幕投手”|球界群像 鈴木孝政#21
「どうするんや、来年」 日本S帯同も“蚊帳の外”…闘将の一言で察した戦力外|球界群像 鈴木孝政#20
快投中の“強制降板”にブチ切れ「何で」 後輩の“踏み台”に…屈辱だった同情の賞金|球界群像 鈴木孝政#19
勝利投手の賞金を超えた罰金 前代未聞の珍プレー…闘将が激怒した“とぼとぼ走り”|球界群像 鈴木孝政#18
マスコミが「誰ひとり、信用しない」 思わずポロリも…予想外だった投手の“告白”|球界群像 鈴木孝政#16
屋台で飲み、就寝直前に「明日行くぞ」 連投お構いなし…呆然とした“予期せぬ通告”|球界群像 鈴木孝政#15
悲劇からの変身に中畑清が文句「抜いたなぁ!」 たった88球の完封呼んだ“粘着質”の助言|球界群像 鈴木孝政#14
“抑え失格”の烙印押された逆転満塁弾 正念場で下された仰天指令「勇気がいったよ」|球界群像 鈴木孝政#13