焦りで狂った手元…担架で運ばれる大先輩 よぎる残像、20歳ドラ1が抱えた“悪夢”|球界群像 今村猛#11
元広島・今村猛氏【写真提供:産経新聞社】今村猛氏のトラウマになった巨人・長野への死球
広島でリリーフ投手として活躍した今村猛氏は、プロ2年目だった2011年8月7日の巨人戦(マツダ)での出来事を忘れられずに野球人生を歩んできたという。長野久義外野手への頭部死球で危険球退場。「シュートが抜けました」。以降、右打者への内角シュートは基本的に封印して外角中心の配球になった。「あの軌道がどうしても出てきちゃうんで……」。その後、カープに欠かせない戦力となっていったが、“苦しみ”とも闘いながらの日々だった。
2011年6月1日の楽天戦(Kスタ宮城)に、5回3失点でシーズン3敗目。それが今村氏の1軍最後の先発になった。以降の登板はすべてリリーフだったが、最初から適性を見せていたわけではない。6月6日のソフトバンク戦(マツダ)では2番手で登板し、小久保裕紀内野手に3ランを浴びるなど1回2/3を8失点。立場を確立しはじめたのは、6月26日の中日戦(マツダ)でプロ初ホールド(1回2/3を無失点)をマークした頃からだ。
「あの時は、とにかく2軍に行かないように。それだけを考えていました」。7月に入って安定感が増した。3ホールド目を記録した7月12日の横浜戦(尾道)からは9登板連続無失点。そのうち7月28日のヤクルト戦(神宮)からは4登板連続ホールドと調子を上げてきたところで、8月7日の巨人戦を迎えた。登板数も含めて、すべてが初体験のような2年目20歳。「さすがに疲れていたのかもしれない」。“悪夢”が待っていた。
“危険球後遺症”と闘いながら…高卒2年目で54登板の躍動
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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