ドラ1指名拒否で聞こえた根拠なき雑音 「もうやけくそ」母の悲鳴で追い込まれた決断|球界群像 栗橋茂#9
元近鉄・栗橋茂氏【写真:山口真司】 社会人に“2年ルール”適用…1年なら「河合楽器に行っていた」
伝説の強打者・栗橋茂氏(藤井寺市・スナック「しゃむすん」経営)は1973年ドラフト1位で駒沢大から近鉄に入団した。意中の球団ではなかったことから、当初は入団拒否の構えを見せていたが、周囲の声など思わぬ事態も重なって、年を越してから「もうやけくそみたいな感じ」でバファローズ入りを決断したという。背番号は2。「本当は8番が欲しかったんだよ。契約の時に言えばよかったなぁ」とも話した。
駒大で1年から4番を務めた大学球界屈指のスラッガーとして栗橋氏はプロから注目を集めて、1973年ドラフト会議では近鉄にドラフト1位指名された。当時の1位は予備抽選で決まった順番に指名する方式で、近鉄は3番クジを引いていた。全体3番目という高い評価でプロの道が開かれたわけだが、その知らせを受けた時にはかなり落ち込んだという。駒大・太田誠監督の出身地、静岡・浜松市の社会人野球・河合楽器から内定も得ており、拒否が基本線だったそうだ。
「太田さんにも『河合楽器に行きます』と言っていた。そういうふうに決めていたからね」。近鉄にも早々に断りを入れたそうだ。だが、近鉄側も重要な1位指名選手だけに簡単には引き下がらなかった。「実家の方にはしょっちゅう、スカウトの人が来ていたみたいです。俺は太田さんに『(スカウトには)会うな』と言われていたので、会っていなかったけどね」。しかし、拒否の構えを見せながら、その進路について悩んでもいたという。
愛着ある背番号8を希望も…梨田昌崇氏が着用
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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