阪神からトレード打診も「じゃあ辞める」 幻に終わった移籍…近鉄主砲の“後悔”|球界群像 栗橋茂#24
元近鉄・栗橋茂氏【写真:山口真司】 栗橋氏が明かす、実現しなかったトレードの“真相”
元猛牛戦士の栗橋茂氏(藤井寺市・スナック「しゃむすん」経営)は近鉄一筋のプロ野球選手生活を送ったが、他球団への移籍の可能性が全くなかったわけではない。1988年シーズンから村山実氏が指揮を執った阪神へのトレード話があったという。実現しなかったのは「どうする?」と聞いてきた近鉄・仰木彬監督に対してピシャリと断ったから。「俺の中ではトレードっていうのはあまり良い印象がなかったからね」と当時の気持ちを明かした。
幻に終わった阪神移籍の件について栗橋氏はこう語った。「あれは阪神が村山監督の時で、シーズン中だったと思う。(試合前の練習で)ライトで打球を守っていた時に仰木さんが俺のところに来て、聞いてきたんだよ。『クリ、阪神から(トレードの)話が来ているけど、どうする?』ってね」。いきなり、そう切り出されて困惑。良い話のようには受け取れず、仰木監督に聞き返したそうだ。
「『どうするって何や? 俺を出すの』って仰木さんに言ったんだよ」。答えに窮する指揮官に対して、さらに畳みかけた。「『だから、俺を出すの?』と言って『じゃあ、辞めるわ』と言ったの。そしたら仰木さんが『分かった』って」。それで阪神へのトレード話は終わったという。「阪神は、近鉄で使われていないんだったら、ってことだったんじゃないかな。あの頃の阪神って長崎(啓二)さんや、柏原(純一)や田尾(安志)とか、結構よそから獲っていたからね」。
しかし、当時の栗橋氏はトレードに関して、出されるイメージ先行で「悪い印象しかなかった」という。「そりゃあ、その頃(のプロ野球界)でも、良いトレードはあったんだけど、俺の中ではあまり……。もう(近鉄に)入った以上は最後まで、っていうのもあったしね」。だからこそ、かたくなにトレード拒否の姿勢を打ち出したわけだが「今思えば、動いてもよかったのかなぁと思う」と苦笑した。
新たに移籍話が浮上「西武だったら、行っていたかもしれない」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜栗橋茂編〜
“遅かった”佐藤輝明の覚醒 通算215HR男が口にしていた課題…「意外とできてない」|球界群像 栗橋茂#26
ホテル呼び出し→有無を言わさぬ“引退勧告” 泥酔し号泣「ああ、俺、辞めるんだ」|球界群像 栗橋茂#25
「お前がやれぇ!」指揮官にブチギレ絶叫 “一言”にカチン…悟ったレギュラー剥奪|球界群像 栗橋茂#23
2番へ変更打診も「何が最強だ」 拒み続けた主砲…苦渋の承諾で狂った“歯車”|球界群像 栗橋茂#22
「え、そんなこと言う?」 落合博満の“口撃”に唖然…逃した首位打者、3冠王に白旗|球界群像 栗橋茂#21
監督からついに“乱闘指令”「行けよ」 頭部に5回も…通算96死球に隠された流儀|球界群像 栗橋茂#20
開幕4番も即負傷「もう駄目だ」 グラウンドで絶望…ファンからは屈辱の応援歌|球界群像 栗橋茂#19
“大一番”前に酔っ払って朝帰り「これはヤバい」 カッパで回復…酩酊状態から活躍|球界群像 栗橋茂#18
「うるせぇ!」漁師と大乱闘で灰まみれ 報復に宿舎へトラックが急襲…豪快すぎた猛牛伝説|球界群像 栗橋茂#17
好調の助っ人にイラ立ち「頭に来ていた」 “怠慢”走塁も…離脱後に成績向上|球界群像 栗橋茂#16