ホテル呼び出し→有無を言わさぬ“引退勧告” 泥酔し号泣「ああ、俺、辞めるんだ」|球界群像 栗橋茂#25
近鉄時代の栗橋茂氏【写真提供:産経新聞社】仰木監督から有無を言わさぬ引退「お疲れさんでした」
近鉄の伝説の4番打者・栗橋茂氏(藤井寺市・スナック「しゃむすん」経営)はプロ16年目の38歳、1989年シーズン限りで現役を引退した。自分から申し出たわけではない。3連勝4連敗で敗れた巨人との日本シリーズ終了から数日後に仰木彬監督から大阪市内のホテルに呼び出され、いきなり両手を握られ「長い間、お疲れさんでした」と言われて、察したという。その日は夕方から飲み始め、泣いて、酔っぱらったそうだ。
仰木近鉄になった1988年から栗橋氏の出番は極端に減った。12年ぶりに開幕スタメンから外され、開幕3戦目の代打でシーズン初出場。以降も代打が増えた。それでも懸命に与えられた仕事をこなしたが、レギュラーの座に戻されることはなかった。西武と争い、連勝すれば優勝だった10月19日のロッテとのダブルヘッダー(川崎)、近鉄は1勝1分で涙をのんだが、その2試合も、いずれも代打起用で2打数無安打だった。
「あの時、ロッテは近鉄に優勝させてもいいと思っていたんじゃないかな。ずっと西武ばっかりだったしね。でも、ウチがムチャクチャ(ロッテを)ヤジったんだよね。村上(隆行内野手)なんか泣きながらヤジっていたもんなぁ。なんでかは知らないけどね。俺はもう自分のことを考えていたから。もう引退かなとかね。なんか冷めていた。だから冷静に見れていたんだけど、みんなは冷静に見れていなかったもんね」と複雑な思いでもいたようだ。
元近鉄・栗橋茂氏【写真:山口真司】 シーズン最終戦で“奇妙な采配”「仕返しかと思った」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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