“消えた”本塁打が救った危機「やばかった」 記録に残らない伝説…215発男が逃した「3」|球界群像 栗橋茂#15
近鉄時代の栗橋茂氏【写真提供:産経新聞社】NPB通算215本塁打の栗橋氏、会心の一撃は山田久志氏から
近鉄バファローズは1979年、球団創設以来、30年目にして初のリーグ優勝を成し遂げた。前期に優勝し、プレーオフで後期優勝の阪急を3勝0敗で下した。当時の猛牛主砲の栗橋茂氏(藤井寺市・スナック「しゃむすん」経営)にとっては、キャリアハイの32本塁打を放ったプロ6年目シーズンだ。そこには思い出深い一発が……。会心の“確信歩きアーチ”もあったし、記録に残らなかった“幻のホームラン”も忘れられないという。
1979年の近鉄は6月26日の南海戦(大阪)に9回1-1の引き分けで前期優勝を決めた。前年(1978年)オフにヤクルトからチャーリー・マニエル外野手をトレードで獲得(ヤクルト・マニエル、永尾泰憲内野手と近鉄・神部年男投手、佐藤竹秀外野手、寺田吉孝外野手の2対3の交換トレード)。その大砲助っ人が6月9日のロッテ戦(日生)で顎に死球を受けて一時離脱した中、2位・阪急の猛追をかろうじて振り切った。
「(6月26日に)前期優勝を決めた試合は、平野(光泰)さんが、センターからのバックホームでアウトにしたんだったよねぇ」と栗橋氏は懐かしそうに話す。1-1の8回に近鉄は2死一、二塁のピンチ。ここで南海の代打・阪本敏三内野手が中前打を放ったが、打球を処理した平野が本塁へ好返球し、二塁走者の生還を許さなかった。近鉄先発の村田辰美投手も踏ん張って完投しての引き分け優勝だった。
栗橋氏はその前期に12本塁打をマークした。6月13日の阪急戦(西京極)では4番左翼で出て、3-3の延長10回表に阪急エース・山田久志投手からスコアボード直撃の11号2ランを放った。「あれは素晴らしいホームランだったよ。その前に(途中から3番に入っていた)吹石(徳一)に、失礼だけど、デッドボールでもエラーでも何でもいいから塁に出ろと言った。俺も自信があったんだろうね。そしたら(吹石の内野ゴロを阪急サードの)島谷(金二)さんがトンネルしたんだよ」。
元近鉄・栗橋茂氏【写真:山口真司】 計3本の“幻アーチ”…栗橋氏は笑う「あまりいないんじゃないかなぁ」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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