ボロボロの寮…試合後に女性が侵入「追い出して」 ドラ1入団も絶望感、夜に響いた叫び声|球界群像 太田幸司#14
近鉄時代の太田幸司氏【写真提供:産経新聞社】 「日生球場を見た時、ホントにもう、コケたもんなぁ」
驚きの連続だった。1969年のドラフト1位で青森県立三沢高から近鉄に入団した太田幸司氏(野球評論家)はいろんな意味でショックを受けたという。1年目のキャンプでプロのレベルの高さを痛感しただけでなく、近鉄が主催球場として使用していた日生球場には「これが……」と衝撃を受け、合宿所「球友寮」での“住環境”でもまさかの出来事が……。超人気者ゆえに、プロで結果を出す前からCM出演もあり「あれも嫌だったなぁ」と当時の心境を明かした。
1969年夏の甲子園球場を沸かし、甘いマスクもあって「コーちゃんフィーバー」を巻き起こし、近鉄入団後も注目された太田氏は1年目(1970年)から1軍キャンプスタート。「練習はそんなにきつくなかったんですけどね、ブルペンに入るとバーン、バーンってすごい球を放る人がいたんですよ。まだ僕は入ったばかりで、選手の名前も顔もよくわからないじゃないですか。それでコーチに聞いたんですよ。そしたら『ああ、こいつはまだ1軍に上がったことがないんやで』って」。
耳を疑った。「“えっ、この球で”って思いました。それはもうカルチャーショック。しかも、そんなピッチャーが何人もいて、僕はこの人たちと競争しないといけないのか、と思ってね」。打者の手元でホップするストレートを武器にして“超高校級投手”と評された太田氏だが、実際にプロの投手を見て、レベルの高さを痛感した。同時に主力級の投手は、もっと高い位置にいることも感じ取った。自然と気持ちも引き締まった。
プロ1年目からグリコと松下ナショナルのCMに出演「これ決まったから」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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