ダウン提示でサイン「お前はアホか」 わずか1勝で球宴選出…噛み合わぬ“人気と実力”|球界群像 太田幸司#15
近鉄時代の太田幸司氏【写真提供:産経新聞社】高卒1年目に球宴ファン投票選出…張本らの“神対応”に感謝
近鉄ドラフト1位右腕の太田幸司氏(野球評論家)は1970年の高卒1年目から開幕1軍入りを果たした。4月19日のロッテ戦(藤井寺)ではリリーフでプロ初登板して初勝利。三沢高時代の甲子園大会での熱投で「コーちゃんフィーバー」を起こした人気も絶大で、その1勝だけでオールスターゲームにはファン投票で選出された。「つらかったけど、(当時、東映外野手の)張本(勲)さんに救われたんです」としみじみと話した。
太田氏は1年目から1軍スタート。1969年夏の甲子園決勝の松山商戦での延長18回0-0引き分け再試合の大熱投した甘いマスクの“アイドル右腕”は近鉄・延岡キャンプでも、オープン戦でも常に注目を集めた。尋常ではない人気を背負いながら、シーズンが開幕。4月19日のロッテ戦がプロ初登板となった。「藤井寺球場ですよね。同点で行ってね……」。1-1の8回表から3番手でマウンドに上がった。
8回の太田氏は池辺巌外野手からプロ初奪三振をマークするなど無失点。その裏、近鉄は1点を勝ち越した。9回表に有藤通世内野手に適時二塁打を浴びて、追いつかれてしまったが、9回裏、太田氏の代打で出た木村重視捕手がサヨナラ2ランを放って、プロ初勝利を手に入れた。その後もリリーフが続き、3登板目の4月23日の南海戦(日生)では4-3の7回から登板し、9回に同点とされ、10回に2点勝ち越される4回3失点でプロ初黒星を喫した。
名捕手・野村の好リードで1回無失点2K…1年目は25登板で1勝、防御率3.86
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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