洗顔で気づいた右肩の“悲鳴”「もう駄目」 日本S直前の悲劇「いっぺんにプチーンと」|球界群像 太田幸司#22
元近鉄・太田幸司氏【写真:山口真司】 元近鉄・太田氏を襲った右肩痛「キャッチボールもできなかった」
どうしようもなかった。元近鉄主力投手の太田幸司氏(野球評論家)はプロ10年目の1979年に右肩痛を発症した。シーズン終盤に調子を上げ、10月9日の南海戦(大阪)で7勝目をマーク。前期優勝の近鉄と後期優勝の阪急が激突するプレーオフに向けて意気込んでいたところで“悪夢”に襲われた。「朝起きたら……」。青森・三沢高時代も、近鉄に入ってからも“ハードワーク”をこなしてきた右肩がついに悲鳴を上げたのだった。
無念のリタイアだった。“さぁ、これから”という時にまさかの事態に陥った。「プレーオフに向けての練習の朝でした。起きたら何か……。顔を洗おうと思ったら、もう“アレ”って感じでね」。右肩に異変を感じたという。「何も手に持っていなければ(肩は)全然回るんですけど、何か持ってクッと力を入れたらピーンとなって……。球場には行ったけど、キャッチボールもできなかった。何か負荷がかかるともう駄目でした」。
その前年(1978年)に太田氏は、原因不明の不調で1勝9敗と成績が大幅にダウン。節目となる10年目の1979年は、そこからの復活を目指してのシーズンだった。4月29日の阪急戦(西宮)と5月4日の阪急戦(日生)で2試合連続2失点完投勝利を挙げるなど、この時点では3勝0敗。だが、その後、調子を落とした。近鉄が前期優勝を成し遂げた中、太田氏の状態は後期に入っても、なかなか戻らず、6月からの3か月で0勝4敗と苦しんだ。
広島と日本シリーズで対戦も、太田氏は治療に専念
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜太田幸司編〜
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