西武から指名も、会社が“ドタキャン” 募った不信感…自力で入団交渉「お金をもらいに行こう」|球界群像 杉本正#11
西武など3球団で活躍した杉本正氏【写真:山口真司】杉本氏が明かすドラフト秘話、西武3位指名の裏側
社会人野球・大昭和製紙(富士市)の左腕・杉本正投手(現・野球評論家)は、1980年のドラフト会議で西武から3位指名されて、プロ入りした。その年の都市対抗野球大会でチームを優勝に導き、最優秀選手賞にあたる橋戸賞も受賞したが、ドラフト指名は全く予想していなかったという。プロにも興味を持っていなかったそうで、まさに思わぬ事態に驚きながら、最終的に西武入りを決めたが、その背景には……。
都市対抗で橋戸賞に輝くなど大活躍した杉本氏だが、ドラフト前に「プロからの話は何も聞いていなかったです。会社に(話が)あったのかどうかは知りませんけどね」と振り返る。そもそもプロは別世界と捉えており「プロに興味がなかった。小学校の時の将来の夢には、“プロ野球選手”になりたいと書いたりはしていましたけど、そんなの無理だと思っていましたから。自分がそんなところでやるなんてとんでもないってね。もうこのまま(大昭和製紙に)いて、サラリーマンで、と考えていました」。
それだけに西武からの3位指名は想定外だった。「ドラフトの日も何の準備していなかったし、普通に働いていました。指名されたと聞いて“えーー”っていう感じでした」。そして、大昭和製紙・安藤喜春監督から「(西武の)スカウトが来るから、15時に本社へ来い」と連絡が入ったという。「ドラフトの次の日かな。監督にそう言われたので『わかりました』と言って、その時間に本社に行ったんです」。
このときに憤慨する出来事があった。「本社に行ったら、別室で待たされたんです。2時間くらい待たされて、17時過ぎくらいまでいたのかな。そしたら監督が来て、もうスカウトは帰った、って言うんですよ。(スカウトに)会わせてもらえなかったんです。じゃあ、俺、何しに来たんだよ、それなら呼ぶなよって思うじゃないですか」。なぜ、そうなったのかの説明もなく、杉本氏は監督への不信感ばかりが募ったという。
石毛宏典氏も選んだ球団「西武に行きたい」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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