メジャーに復帰した松坂大輔と日本球界の思惑とは?

精彩を欠いている松坂のピッチング

 松坂大輔投手(33)のメッツ移籍は実に電撃的だった。今季所属していたインディアンスに自ら退団を申し入れ、8月20日(日本時間21日)に自由契約。2日後の22日(同23日)にメッツと契約した。オリックスでも監督経験のあるテリー・コリンズ監督が、駒不足の先発の一角として獲得。インディアンスのマイナー戦から中3日でホームタウンのニューヨーク、松坂大輔シティー・フィールドのマウンドに立った。

 インディアンスはア・リーグの中地区の優勝を争っており、先発枠は埋まった状態。松坂は3Aで順番を待ったが最後まで声はかからなかった。

 一方のメッツはナ・リーグの西地区の優勝戦線から脱落し、ローテーションを務めた若い投手については登板過多を避けるために投球制限を用いて、残りシーズンでの起用をしない方針を固めていた(後にそのうちの1人、マット・ハービーは右肘の靱帯を部分断裂し、DL入り)。そのため先発不足と、来季の戦力として松坂を見極めたいメッツの思惑と、自分自身がどこまでやれるかを確かめたい松坂側との狙いが一致し、今回の移籍が実現した形だった。

 その松坂の約1年ぶりのメジャー登板は、精彩を欠いた。

 メッツでのデビュー戦は昨季のア・リーグ覇者で3冠王を獲得したミゲル・カブレラ内野手らがいるデトロイト・タイガースだった。強力打線を相手に初回と2回に本塁打を浴びるなど5失点。5回を投げたが敗戦投手となった。ただ、投げた本人は「やっぱり自分はここ(メジャー)にいたいんだなと強く思いました」と大リーグの風を感じたことに価値を見出した。

 以降、3連敗を喫するも9月8日のインディアンス戦では5回2/3を投げて、3安打1失点と好投。勝ち星こそつかなかったが、様々な球種でストライクを取れたことに手応えをつかんだ様子だった。

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