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今オフ国内FA移籍第1号へ 山崎勝己という捕手はなぜ評価されるのか

ソフトバンクからFA宣言した山崎勝己捕手(31)のオリックス移籍が確実となった。今年は例年になくFA市場が活発な動きを見せている中で、最初に球団が決まりそうだ。

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2番手捕手が定位置だった山崎が評価された理由

 ソフトバンクからFA宣言した山崎勝己捕手(31)のオリックス移籍が確実となった。今年は例年になくFA市場が活発な動きを見せている中で、最初に球団が決まりそうだ。

 山崎は2000年、報徳学園(兵庫)からソフトバンク・ホークスにドラフト4位で入団。1軍初出場は2005年だった。城島健司をはじめ、的場直樹、高谷裕亮、田上秀則といった捕手との争いに敗れ、正捕手にはなれなかった。最多の出場数は2006年の105試合。今年もレギュラーは細川亨だった。山崎は2番手捕手として91試合に出場し、打率2割5分2厘、盗塁阻止率2割2分4厘と周囲と比べて突出した成績を残したわけではない。

 そして男は「試合に出て、活躍がしたいんです」とFA権を行使した。シーズン中から捕手がほしい複数の球団が水面下で調査をしていた。2番手捕手が定位置だった山崎が評価されたのは、一昨年までホークスにいた和田毅(オリオールズFA)、杉内俊哉(巨人)との相性が良かったことだ。2011年シーズン、和田は最初に細川と組んだが開幕から1か月勝てずに、5月の最初の登板(楽天戦)で山崎とコンビを組むと、何と完封でシーズン初白星をマーク。その後も14試合で9勝と、山崎は和田の調子を上向かせることに成功した。

 杉内も同じだった。1か月勝てずに捕手を細川から山崎に変更。この年、初めてバッテリーを組んだ5月14日の西武戦で杉内はシーズン初勝利を挙げた。和田や杉内といった左腕は、スライダーやチェンジアップの変化球をストレートと同じ割合で投げる。その変化球の生かし方が山崎の方が巧みだったことで、2人の専属女房として活躍の場を見出した。

 それだけではない。ソフトバンクの球団関係者は山崎のハートの強さ、物怖じしない気持ちの強さを評価していた。そこをオリックスバファローズも高く評価したのだろう。さらに同球団関係者は証言する。

「(杉内よりも)山崎の方が年齢は下なのですが、先輩に対しても、ものをはっきりと言う。違うものは違うと、試合中でも変化球の調子が悪いと、ズバっと言うそうです。このボールの精度が悪いですとか、全然だめなので次の次のイニングまでは修正をしておいてください、などとはっきりとピッチャーに言っている」

 実績のある先輩に対してはなかなか意見をしにくいものだが、山崎は投手に対して「ダメなものはダメ」と指摘できるキャッチャーなのだ。そのような厳しさも持っている。だからこそ和田や杉内といった投手たちの信頼を勝ち取り、試合でも好結果に導くことができたのだろう。

 ホークスの投手陣から見ると細川と山崎のリードの違いは、前者は自分主体のリードであり、後者は投手の投げたいボールを投げさせるリードなのだという。投手にもそれぞれタイプがある。和田や杉内といった力のある投手は気持ちよく投げさせることで、うまく良さを引き出すことができる。オリックスに移籍することになれば、同じく金子千尋や西勇輝ら実力のある投手がいる。相手の良さを生かし、時には厳しい一面も見せる山崎が正捕手として投手たちを勝利に導けば、クライマックス・シリーズ3位圏内も十分見えてくるはずだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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