剛腕・クレメンスが投げつけた伝説の「折れたバット」が競売に!?

ピアザとクレメンスの因縁

 ヤンキースとメッツの「サブウェイシリーズ」となったワールドシリーズで、ロジャー・クレメンスがマイク・ピアザに投げつけたバットが、オークションにかけられることになった。米FOXスポーツが報じ、話題となっている。

 今でもメジャーファンの語り草となっている衝撃の出来事が起きたのは2000年のワールドシリーズ第2戦。ヤンキースのクレメンスの速球をメッツのピアザが打ち返したが、ファウルに。しかし、バットが折れて破片がクレメンスの体に向かって飛んでいった。これをつかんだ右腕は、一塁方向に走り始めていたピアザの方に向かって投げつけたのだ。これを機に両軍の選手がベンチから飛び出し、あわや大乱闘という場面に発展した。クレメンスは「ボールと勘違いした」と話したが、説得力に欠ける説明だとされている。

 これには伏線があった。以前から不仲がささやかれていた両者だったが、この年のレギュラーシーズンで対戦した際にクレメンスがピアザの頭部に死球をぶつけ、さらに不仲説に拍車をかけていたのだ。直後にピアザがクレメンスを強く批判していたこともあり、ワールドシリーズでの直接対決に注目が集まっていた。その中で行った“事件”だった。だからこそ、ファンの脳裏にも、深く刻まれている。

 折れたバットの破片は、当時のヤンキースのコンディショニング・コーチだったジェフ・マンゴールド氏が持ち帰り、家で保管していた。10年以上が経ち、オークションに出品することを決断。本物だという証明書も付いているという。

 マンゴールド氏は、取材に対し「私はこれを13年以上、保管していた。オフィスに置いてあり、ごく少数の人だけがそれを知っていたよ。でも、これはスポーツの歴史に残る記念的な品だと思ったんだ」と話している。

 バットは「ヘリテージ・オークション」で2月22日まで入札できる。昨年末には、レッドソックス世界一の象徴となったヒゲをデビッド・オルティスがオークションにかけ、約110万円で落札された。今度はどんな値が付くのか、注目が集まっている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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