メジャー開幕日が祝日に? 伝説の名手オジー・スミスが請願運動を展開

国民の約1割が、メジャー開幕戦で仕事を休んだことがある

 日本とアメリカでは、文化や社会のあり方、また家族や娯楽についての考え方に大きな違いがある。最近でこそ減ってきたかもしれないが、家族との時間を犠牲にしてまで仕事に生きるという、ひと昔前の日本流の考え方は、アメリカでは「クレイジー」の域に入る。仕事よりも家族が大切という共通認識があり、家族と過ごすための余暇や娯楽の時間を理由に仕事を休んだり、学校を休んだりすることは、ごく一般的なことだ。

 日本人の感覚からすると、にわかに信じがたいことかもしれないが、野球の試合を見に行くために仕事や学校を休む人も少なくない。

 シカゴ市との規約により、本拠地で開催される81試合のうち最大46試合がデーゲームで行われるカブスの場合、週末に限らず、月曜日や木曜日にデーゲームが開催されることも多々ある。しかも、レッドソックスの本拠地フェンウェイパークに次ぐ歴史を誇るリグレーフィールドが舞台。「デーゲームのチケットが手に入ったから仕事を休んで行きたい」と申し出れば、よほどの重要懸案事項がない限り、上司は快く休みをくれるという。

 先日、元カージナルスの遊撃手で、殿堂選手のオジー・スミスが、メジャーリーグの開幕日を祝日にするための請願運動をスタートさせた。この請願運動でスミスとタッグを組むのは、カージナルスの本拠地セントルイスに本社を置くアンハイザー・ブッシュ社。アメリカで有名なビール、バドワイザーの製造元だ。

 同社が2月13日から16日に行ったオンライン調査によれば、21歳以上のアメリカ人1004人のうち約10パーセントが、これまでメジャー開幕戦を見るために仕事を休んだ経験がある、という回答をしたそうだ。

 1004人というサンプル数は少ないような気がするが、オンライン調査を担当したKRCリサーチ社によれば、調査結果は95パーセントの信頼性があるという(誤差は±3・09パーセント内)。つまり、国民の約1割が自主的に休みを取っているなら、祝日にしてしまおう、という論理なのだ。

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