【山本一郎コラム】今年のヤクルトはオープン戦ではちっとも勝てません

「高津、お前が投げろ!」

 いやー、ついに球春がやってきましたね。待ちに待った、プロ野球開幕じゃないですか。

 まもなく開幕するにもかかわらず、期待のドラフト1位杉浦が右肘靭帯損傷という素敵なニュースが飛び込んできた我らがヤクルトは巡航運転といったところですが、まあ故障はいつものことですので、気にすることなくオープン戦を神宮まで見物にいったわけです。

 個人的にはオープン戦なんだから当日券ぐらい安くしろと言いたいんですが。
 なんですか、その1,100円というのは。払うけどよ。

 何しろ、今年のヤクルトはオープン戦ではちっとも勝てません。どのくらい勝てないかというと、1勝11敗1分。なめてんですかね。野球を。スワローズファンの忍耐をどこまで試せば気が済むんでしょうか、スワローズナイン。これがシーズン中であれば生卵投入だけでは許されない何かを感じさせるじゃないですか。

 こっちは子供を連れてって、生粋のスワローズファンとするべく英才教育を施している先からクソみたいな試合運びしやがって。文句を言われたくなかったらビールの料金を50円でいいから下げてくださいお願いします。

 で、何が問題だっていうと例えば、バーネット。何ですか、その同点9回に出てきてからの満塁ホームラン被弾というのは。こっちの酔いが醒めたわ。せっかくナーブソンがそこそこの仕上がりで頑張っていたというのに。1対1の締まった試合の最後に満塁弾じゃないですか。ギャグですかね。その前の試合も被安打1与死球1で焦げ臭いなあと思っていたらこれじゃないですか。思わずライトスタンドから「高津! お前が投げろ!」と野次りたくなるじゃないですか。

 やっぱりね、一連のヤクルトの体たらくというのは、城石がサードコーチャーボックスに居るからいけないんだと思うんですよね。二塁に畠山がいて、相川がレフト前にヒット、それを見た城石が腕をぐるぐる回しているのを見て「これはアカン」と思い、脇目も振らず畠山がサードベースを回って「ヤバイヤバイ」と感じ、その膨らんだベーランから数メートル手前で余裕のバックホームで本塁憤死を見せ付ける畠山が呆然とする姿を晒すと「これぞヤクルト野球」と感ずるわけでございますね。この期待して損した雰囲気がスワローズのスワローズたる所以ともいえるのです。

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