田中将大が受けているPRP療法って何? ヤンキース主治医がその効果を語る

田中が受けた治療法のメリット

 右肘靱帯の部分断裂により戦列を離脱することになったヤンキースの田中将大投手は現在、PRP(Platelet Rich Plasma)と呼ばれる治療を受けている。復帰までに1年以上を要する靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を出来る限り回避し、保存療法により、最短6週間での復活を目指している。

 このPRP療法とは再生療法の一種で、自らの血液から抽出した多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)を注射する治療法。美容やアンチエイジングなどの分野にも取り入れられている。

 多血小板血漿は、抽出された血液を遠心分離器にかけ、白血球、赤血球、血清、血小板に分離して作り出すという。血小板のみを集めて患部に注入し、組織損傷の修復を促すことが狙いで、注射の後は肘を休ませ、回復状態によって練習再開を決めていく。田中はすでに14日に注射を受けており、現在はその経過を見ている段階だ。

 ただ、これだけを聞いてもピンとこない人は多いのではないだろうか。実際にはどんな治療法で、どんなメリットがあるのか。米ニュージャージーのニュースサイトNJ.comでは、ヤンキースの主治医であるクリス・アーメッド医師がコロンビア大メディカルセンター内のウェブサイト上でPRPについて説明しているインタビューを取り上げ、治療法の詳細を明らかにしている。

 まず、主にどんなときに使われる治療法なのか。

 アーメッド医師は「膝関節前十字靱帯損傷や腱板の手術、あらゆる肩または膝の手術後に注射する」としている。関節唇断裂、膝関節前十字靱帯損傷、トミー・ジョン手術、スポーツによる膝・肩・肘の損傷に対する高度な関節の手術などを専門とするアーメッド医師が、頻繁に用いている治療法だ。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY