黒田博樹がプロ18年目で日米通算3000投球回を達成 「ここまで投げられるとは思っていなかった」

配球を工夫し、節目の試合で打者を圧倒

 ヤンキースの黒田博樹投手が14日(日本時間15日)、敵地でのオリオールズ戦に先発登板し、7回を6安打1失点、5奪三振と力投した。打線の援護に恵まれず、今季11勝目はならなかったが、3回1死を取った時点で日米通算3000投球回に到達した。

 今季4度目の顔合わせとなったオリオールズは1回、先頭打者を含めて打者2人が初球攻撃を仕掛けてきた。前回のレイズ戦でも4度目の対戦で4回途中4失点と打ち込まれた右腕は「アプローチは向こうも変えてきている。前回のタンパもそうだけど研究されている」と感じ、配球に工夫を加えた。

 序盤はシンカー主体にリズムをつくると、中盤にかけて球速に強弱をつけた2種類のスプリットで目先を変えた。

「シンカーは甘くなると一発がある。スプリットも緩急をつけながら打者の目先を変えることができた」

 巧みな投球術で的を絞らせなかった。

 1点リードの6回1死一塁から3番ジョーンズに左翼線を破られ、同点に追いつかれて天を仰いだ。しかし、7回は気持ちを切り替え、3人で片付けるあたりにベテランの粘り強さがうかがえた。

「日々の積み重ねでここまでくることができた」

 オリオールズの本拠地があるボルティモアでは今季最後のヤンキース戦。僅差の試合を幾多も経験してきた右腕は「球場の雰囲気も独特だった。その中でリズムをもっていかれないように心掛けていた」と粘り抜いて、試合をつくった。

 無四球投球で相手打線を圧倒する内容を示し、日米通算で野茂英雄に次ぐ2人目の偉業を達成した。大卒でプロに入り、18年目でたどり着いただけに重みのある数字だ。

「色々と考えると体のあちこちに痛みが出てきそうなイニング数。いきなり100、200イニングを投げられるわけではない。日々の積み重ねでここまでくることができた。大学を卒業してプロに入ってここまで投げられるとは思っていなかった。周りの人に感謝したい」

 白星で飾ることはできなかったが、これまで数々の「節目」をクリアしてきた39歳にとって、特別な夜になった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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