23日に迎える運命のドラフト会議 育成か即戦力か、各球団の思惑は?
今年も予期せぬドラマがあるか、各球団の1位候補たち
2014年のドラフト会議が23日に行われる。各球団とも最終のスカウト会議を行い、当日に備える。ドラフト会場の控室で急に指名方針が変わることも。予期せぬドラマが生まれるドラフト会議。今年はどのような選手に照準を合わせているのか。育成方針か、それとも即戦力か。各球団の1位指名の思惑を探りたい。
【パ・リーグ】
○ソフトバンク・ホークス
昨年は即戦力と期待し、JR九州の加治屋を指名した。25日から日本シリーズを戦うホークスは先発投手陣の駒はそろっている。シリーズ終了後にはFAなど先発投手の補強も積極的に行う方針のため、ドラフトでは高校生の1位候補、つまり育成方針でいく可能性が高い。投手なら、狙い目としては高橋光成(前橋育英)、松本裕樹(盛岡大付)、即戦力としても使える安楽智大(済美)になりそう。また九州出身の選手を積極的に獲得していることから九州国際大付の捕手・清水優心も上位候補に挙がるだろう。
○オリックス・バファローズ
昨年はJR東日本から吉田を即戦力として1位で、富士重工の東明を2位で獲得した。2投手とも1軍で活躍。今年は左の先発投手不足に泣き、エース金子のFA流出の危機の可能性もあるため、オリックスは即戦力型、さらに左腕もほしいところ。明治大の左腕・山崎福也、右では今ドラフトの目玉の早稲田大の有原航平らに目がいくだろう。例年通り、社会人にも熱視線を送っており、新日鉄鹿島の横山雄哉、ヤマハの竹下真吾ら即戦力左腕もリストアップされそうだ。
○日本ハムファイターズ
昨年は1位指名で重複した松井裕、柿田、岩貞の3選手をクジで外し、将来性を買い、東海大甲府の渡辺を1位指名。日本ハムは1番いい選手を獲りにいくという獲得方針で、これまでも菅野(巨人)や大谷を強行指名したのは記憶に新しい。今年はCS最終ステージまで戦ったが先発ローテにやや迫力を欠いた。そのため、日本ハムも即戦力型。早稲田大の有原を1位の最有力に挙げている。上沢、浦野、大谷らと若いローテ形成となるか。
○千葉ロッテマリーンズ
昨年は即戦力右腕・東京ガスの石川を巨人と競合の末に獲得した。ロッテも、即戦力投手を今年も求めている。安楽については右肘の酷使による影響が出ると見ており、指名しない方針を固めている。有原や亜細亜大の山崎康晃、明大の山崎、社会人の横山、竹下あたりに着目している模様だ。横山ならば単独指名できる可能性もあり、1本釣りとなることもあるかもしれない。
○西武ライオンズ
すでに1位指名について、昨夏の甲子園優勝投手の前橋育英・高橋を指名すると公言。昨年は大阪桐蔭・森友哉の1本釣りに成功し、今シーズン終盤に活躍した。そんな西武が早い段階で指名選手を挙げたのには狙いがある。他球団からすれば、高橋は1本釣りの勝負をかけてもいい選手であり、西武のように、競合の可能性もある中で、単独指名を視野に入れていた球団もあっただろう。ただ、西武が指名を公言することで、他球団には、有原や即戦力としても評価の高い安楽で重なるなら仕方がないが、育成型の高橋で重複したくないという思惑が出て、西武以外の球団が撤退する可能性も出てくる。それが西武の狙いの1つ。高橋の指名が実現すれば、高橋―森という甲子園を沸かせたバッテリーが見られることになる。
○楽天イーグルス
昨年指名した高卒ルーキー左腕・松井が来年は開幕から戦力として計算できそうだ。一昨年の森、2010年の塩見もローテ入りする力がある。昨季2位の高卒・内田をはじめ、潜在能力の高い野手もいることから、楽天も即戦力右腕を指名する可能性が高い。早稲田大の有原、済美の安楽が筆頭となる。外れた場合は野手へシフトする可能性も。リーダー性もある巧打の内野手・早稲田大の中村奨吾を高く評価している。