イチローが感銘を受ける選手とは “レジェンド”ジーターと“WS・MVP左腕”バムガーナーの共通点

イチロー独自の視点や野球観

 ヤンキースからフリーエージェント(FA)となったイチロー外野手が、メジャーの“ニューヒーロー”に初めて言及した。今年のワールドシリーズ(WS)MVPに輝くなど、ジャイアンツを最近5年で3度目の世界一に導いたマディソン・バムガーナー投手について、今季限りで引退したデレク・ジーターと比較するなど、最大級の賛辞を送っている。

 現地時間10日に放送予定のMLBネットワークのテレビ番組「スタジオ42 with ボブ・コスタス」でインタビューに答えているイチロー。その内容の一部をMLB公式サイトが掲載した。イチローはそこで通訳を介し、今季のワールドシリーズに注目していたことを明かしている。その目に飛び込んできたのが、淡々と快投を続けたバムガーナーだったという。

「ワールドシリーズはできる限り見ましたが、ジャイアンツのピッチャーのマディソン・バムガーナーをテレビで見た時に、先ほどジーターについて言ったことと同じことを感じました。この人のマウンドでの落ち着きぶりは、見ていて信じられませんでした」

 同じインタビューで、イチローは一目を置くジーターが劇的なサヨナラヒットを放った本拠地最終戦についても語っている。特別な一戦でも感情をコントロールするジーターに驚きを覚えたことを明かしているが、同じ思いをバムガーナーに対しても抱いたという。

 ジャイアンツのエースは第1戦で勝利投手となると、第5戦は圧巻の完封。さらに、第7戦では中2日でリリーフ登板し、またしても快投で“胴上げ投手”となった。計21イニングを投げ、わずか1失点の防御率0・43、1四球17奪三振。2勝1セーブという投球は、歴史に残るものだった。そんな左腕を、イチロー独自の目線で見ていたようだ。

「僕が感動したのは彼の投球やスポーツ精神ではなく、彼のマウンドでの落ち着きぶりでした。まだ25歳だと聞きましたが、その歳であんな風に落ち着いて感情を見せない。『これがワールドシリーズだ!』と。そして本当に感情を表に出すのは勝利の瞬間だけでしたね」

 自身はまだ立ったことのないワールドシリーズの舞台。そこで落ち着き払った投球を見せた若きエースに、特別な感情を抱いたようだ。選手の特徴などを分析することはよくあるイチローだが、ここまで絶賛するのは珍しいことと言えるかもしれない。

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