メジャーにも衝撃を与えた侍戦士 柳田悠岐と菊池涼介が秘める可能性

日米野球でMVPに輝いた柳田、専門家から見る課題とは

 小久保監督率いる侍ジャパンは今秋、2006年以来8年ぶりとなる日米野球に臨んだ。今大会は壮行試合や記念試合、親善試合が前後に挟まれた日程で、本シリーズの5試合を含めて合計8試合が行われた。侍ジャパンは第1戦を2-0で制すると、一気に3連勝し、1990年以来、24年ぶりの勝ち越しを決めた。

 特に第3戦では先発の則本(楽天)から4投手の継投で、MLB打線をノーヒット・ノーランに抑える歴史的大記録を達成。若手の活躍も目立ったシリーズとなった。

 そんな侍ジャパンの戦いを、来季・ソフトバンクホークスのコーチ就任が決まっている、スポーツコメンテーターの飯田哲也氏に振り返ってもらった。

「やはり、個人的な意識もあって、柳田を注目して見ていました(笑)。今回のシリーズはMVPを獲得し、シーズン中同様、派手な活躍が目立ちましたね。彼の良さが見えたシリーズだったと思います」

 ソフトバンクの柳田悠岐は、187センチ、95キロの恵まれた体格にスピードもあり、走攻守三拍子揃った大型選手だ。今季はオールスターにも初めて選出され、第2戦ではMVPを獲得。シーズンを通して打率.317、15本塁打、70打点、33盗塁と、素晴らしい活躍を見せた。飯田氏は続ける。

「クライマックスシリーズ(CS)の時も話しましたが、柳田はポテンシャルが高いですし、体にも恵まれているのでプレーが派手です。秋山監督もCSでは1番に起用しました。33盗塁を記録した足の速さはもちろん、その理由はチームに勢いを与えられるキャラクターを持っているから、という部分もあると思います。日米野球でも、ノーヒットと猛打賞を繰り返すなど、波はありましたが、そこも含めて彼らしいプレーが見られたと思います」

 柳田の特長は、何と言ってもその思い切りの良いバッティングだろう。今季は.317という高打率ながら131個の三振を喫している。

「今回の日米野球ではメジャーの投手相手にどれだけやれるかと見ていました。MVPは取りましたが、相手は素晴らしい投手ばかりなので、空振りも多かったですね。柳田は足もありますし、率を残せるバッティングセンスもあります。これだけの率を残しながら、131三振は明らかに多いです。追い込まれてからのバッティングにもっと工夫ができれば、率はもっと上がっていくでしょう。今季は打率3割、30盗塁をクリアしましたから、さらに上を狙っていって欲しいですね」

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