米国内で評価を高めている日本人投手 現地関係者が証言する4つの強み

米国から見た日本投手の4つの強み

「日本の投手たちは総じて制球力が素晴らしい。第1戦で前田健太が口火を切った後も、多くの投手たちが安定した投球をみせてくれた」

 MLBネットワークの解説者を務めたマーク・デローサ、ダリル・ハミルトンは放送中に盛んにそう語っていた。

 安定したフォームから丁寧に両サイドに投げ込んで来る日本投手たちに感心したファンは、アメリカにも少なからずいたはず。特にボールが先行したカウントからでも様々な球種でストライクが取れる多彩さは、準備不足から淡白だったMLBの打者たちを相手に大きな武器となった。

 個人で言えば、日本チームの中で最も頻繁に名前が取り上げられたのはやはり前田だった。近未来のメジャー入りが現実的な可能性として囁かれていること、第1戦で5回を2安打2四球無失点と期待通りに好投したのがその要因だろう。そして、スタイル的に見ても、前田はアメリカで考えられている日本人ピッチャーの長所を分かり易く示してくれる投手だったと言って良い。

 今秋に「日本人投手黄金時代」という新書をリリースするにあたり、筆者はアメリカで多くの選手、メディア、関係者に意見を求めた。彼らの言葉を総合すると、一般的に日本人投手たちの強みは以下の4つ。

「(1)メンタルの逞しさ (2)投球フォームの安定 (3)球種の多様性 (4)ヘジテーション(大きく足を上げて、その後に一度動きが止まる、独特の投球フォーム)」

 一度ストップする日本人らしいフォームから、前田は速球、カーブ、スライダー、チェンジアップといった複数の球種を制球良く投げ込んで来る。同じフォームを繰り返せることが、安定した制球力に繋がっている。メンタル面は日米野球の1試合だけでは測り切れないが、日本側から見れば重圧もあったであろうシリーズ第1戦で上質なピッチングを見せたことに意味はある。

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