カープ優勝へのキーマンは捕手? 會澤翼が秘める魅力と可能性

今季、球団史上4人目の2桁本塁打を放った26歳

「打てる捕手」というのは、貴重である。古くは野村克也氏、近年では古田敦也氏、城島健司氏ら、そして現役では巨人の阿部慎之助と名が挙がる。扇の要として試合を操りつつ、バットでも相手の脅威となる。どこの球団にとっても、ノドから手が出るほど欲しい存在である。

 いま、広島には、その可能性を感じさせる男がいる。

 會澤翼、26歳である。

 エース前田健太やヤンキース・田中将大、巨人・坂本勇人、ソフトバンク・柳田悠岐らと同じ1988年生まれの“黄金世代”の1人。水戸短大付属高から、高校生ドラフト3巡目で07年に広島入りし、来季でプロ9年目。背番号を「64」から「27」に変えて臨む15年シーズン。「27番に負けない選手になりたい。ちゃんとした成績を残さないといけない」と語る會澤が、広島の命運を握るカギの1人になる。

 今季、その打力を十二分に感じさせた。打率3割7厘、10本塁打、30打点。広島の捕手として2桁本塁打を放ったのは、53年の門前真佐人(12本)、76年の水沼四郎(11本)、09年の石原慶幸(10本)に次ぐ、史上4人目のことだった。

 その内訳が、なかなかに凄い。53年の門前氏が104試合、水沼氏が124試合、09年石原が124試合出場での2桁本塁打だったのに対し、會澤はわずか65試合(先発は45試合だけ)。単純に計算しただけではあるが、全試合出場を果たせば、22本塁打を放っていることになる。右方向への本塁打も打てる。パンチ力は魅力だ。

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