試合を動かす巨人・鈴木尚広の足 37歳を迎えるシーズンでも進化する走力

今年はさらに進化、オフに五輪金メダリストの清水宏保氏から学んだこと

 3月8日の阪神戦では、1点リードの9回に三盗を試みた。結果はアウト。サインではなく、自分の判断でスタートを切った。「今、この時期のオープン戦でないと試さないこともあるので」と、アウトになった感覚を大事にしてシーズンへ臨んでいくという。

 鈴木が盗塁を成功できる理由は、足が速いということだけではない。すべてを総合した「走力」がある。

 最も秀でているのは準備だ。「指示を待っているだけでは駄目。自分がここで使われるんだと試合中から想定して準備をしています」。試合の流れ、展開を読む。相手が継投でくれば、自分が代走で出たとき、どの投手が来るかなどを想定して準備している。だから、監督が代走を送る場面が分かるという。

 しかも、今年はさらに進化を遂げようとしている。オフは1998年長野冬季五輪スピードスケート金メダリストの清水宏保氏から「反応」について学んだ。清水氏は「外腹斜筋を鍛えれば、まだまだ反応が速くなると思います」と指導。いかに力を抜いた状態から筋肉を反応させて、スタートを切るかを追い求めた。鈴木も盗塁を決め「少しずつ、反応が良くなっている気がします」と手応えを感じている。

 まだまだ「走力」は上がり、盗塁も増える。勝負所で本塁を駆け抜ける鈴木の足に注目だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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