復活投球の田中将大に止まない賛辞 ヤ軍絶対守護神も「彼はスター」と脱帽

最後のボールは最速154キロ、「あれで十分だと我々は判断した」と指揮官

 ミラーはこの日、8回途中から登場。1回2/3を投げ、1安打1四球3奪三振で今季17セーブ目を挙げ、田中の3勝目に大きく貢献した。防御率1.08で救援失敗はゼロ。決め球のスライダーを武器に、2シーズン前に引退したクローザー、マリアノ・リベラ氏のような絶対的な守護神としてチームを支えている。

 ミラーは故障と戦う日本人右腕の復活ロードを間近で見てきた。ジョー・ジラルディ監督は負傷明けの田中に対し、試合前に80~85球と球数を制限していたが、限られた中で7イニングをしっかりと投げ切った。

 前日、ヤンキースは延長11回の死闘の末に5-3で勝利。この日、ミラーはジョー・ジラルディ監督から回をまたいでの登板を託されたが、今季26試合に登板して防御率0.00のセットアッパー、ベタンセスを温存することができた。田中の力投もブルペンの負担軽減につながった。

 田中は7回、最後のバッターとなったシーガーをこの日最速の154キロのファストボールで三振に仕留めた。エースは去り際にも十分余力を見せていたが、ESPNによると、ジラルディ監督は田中の降板に関して「あれで十分だと我々は判断した。信じてほしい。私も(マウンドに)とどめておきたかったんだ」と語ったという。

 田中はルーキーイヤーの昨季前半戦に快刀乱麻のピッチングでニューヨークを沸かせた。苦難を乗り越え、その時と同じようなスーパースターの座に返り咲こうとしている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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