“復活“遂げたロッテ涌井は2016年も輝けるか 立ちはだかる課題とは
昨年3度目の最多勝も…「ストライクゾーンはほぼ全てやられた」球種とは
2015シーズン、かつての輝きを取り戻した選手の1人として、ロッテ・涌井秀章が挙げられるだろう。
リーグ最多タイとなる28回の先発登板でチームを牽引した29歳は、後半戦だけで12戦9勝と活躍。チームを逆転でのCS進出に導いた。ここ4年2桁勝利から遠ざかっていた右腕は日本ハム・大谷翔平と並ぶ15勝(9敗)を挙げ、2009年以来6年ぶり3度目の最多勝を獲得。復活を印象付けるシーズンとなった。
そんなロッテのエースは昨季、どのような投球内容で白星を積み重ねたのか。また、好成績の中にも課題はあったのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏に、昨年の全投球の分布がわかる「球種別コース比重ヒートマップ」、結果球の「被打率別ヒートマップ」からその投球を分析してもらった。
同氏がまず目を付けたのはカットボールの高い被打率だ。同球種では右打者の内角高め、左打者の外角高めのゾーンで高い被打率を意味する「赤色」が目だった。「カットボールでやられていますね。3割5分6厘。カットボールであのゾーンは……。これはわざと投げにいったカットボールではないでしょう。カットボールの制球がつかなかったから、被打率が高かったというところでしょうね」と分析。「ストライクゾーンはほぼ全部やられています。これを見るとカットボールは使わない方がいいとさえ思いますね」と言及した。