米国の関心は3000安打? イチローのローズ超えは「お祭り」への通過点

金字塔迫るイチロー、「日本とメジャーで成し遂げたことは誰も真似ができない」

 ニューヨークのヤンキースタジアムでは6月10日からヤンキース-タイガースの3連戦が行われていた。その試合前、タイガースのオマー・ビスケル内野守備コーチと春季キャンプ以来の再会を果たした。

「イチローはどうしている?」と聞かれたので、「ピート・ローズの歴代最多安打記録に日米合算で迫っている」と答えると、「(メジャー通算)3000安打にはあと何本になったんだ」と即座に返ってきた。日本では早くから日米合算でのピート・ローズ氏が保持する歴代最多の4256安打到達へのカウントダウンが行われていたが、米国でのイチローのカウントダウンは、あくまで「3000安打」。通算2877安打を放った元名選手とのやりとりで、そのことを実感した。

 米メディアでもイチローがローズの記録に近づくにつれて、SNS上で米記者が速報を出すようになった。13日(日本時間14日)の試合中には、ESPNのジム・カペル記者が「イチローがローズの安打記録にあと1本に迫ったが、ヒットキングが栄冠を明け渡す日は来ないだろう」とツイートするなど、日米合算記録を同等に比較することに懐疑的な見方が一般的だ。

 だからといって、イチローの数字が色あせることはない。ビスケル氏は「たとえ、アフリカやヨーロッパでプレーしたとしても関係ない。これだけの安打を積み上げたことは賞賛に値するし、ワールドワイドな記録として評価されるだろう。イチローが日本とメジャーリーグで成し遂げたことは誰も真似ができないことなのだから」と話す。

 米国のベースボールファンや選手や関係者の多くは、イチローの数字や実績に対して素直に敬意を表している。だからこそ日米通算記録で「ローズを超える」という栄冠が相応しいかどうかは、イチローという選手を評価する上でそれほど重要な要素になっていないのだろう。

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